読書
拝啓 台風が発生し、天気予報が気になるこの頃、皆様におかれましては低気圧にも負けずお元気でご活躍のことと存じます。 私、電八郎は、このたび2冊目となる電子書籍を出版する運びとなりましたことをお知らせいたします。 アマゾン(Amazon Kindle)でご購…
拝啓 初夏の爽やかな風が心地いい季節となりました。 皆様いかがお過ごしでしょうか。「孤立無援のブログ」を運営している私、電八郎は、このたび電子書籍を出版する運びとなりましたことをお知らせいたします。 アマゾン(Amazon Kindle)でご購入いただけ…
こけおどしの衒学趣味 「小山田圭吾は21世紀のカラヴァッジョなのか」という愚問 モンドセレクション金賞のクッキーのお味は? 障害者は小山田圭吾の音楽の養分ではない 沢田君の人生は小山田圭吾のものではない 「大学教員トリオ」が藤原悠馬のブログをパク…
吉田豪さんが、決定的な物証を発掘。 昔の『QJ』を読んで気付いたこと。『QJ』3号で小山田圭吾を表紙にしたら「音楽誌と間違えて買ってくれた人が結構いた」から「爆発的に売れた」。「音楽のことは一切聞かず、“いじめ”についてのみ喋ってもらうというハー…
北尾修一様 拝啓 強い日差しに向かって元気に咲いている向日葵のように、北尾修一氏におかれましては、ますますご活躍のこととお喜び申し上げます。 私は「孤立無援のブログ」をやっている電八郎と申します。 この度、北尾修一氏が運営されておりますブログ…
柳美里『JR上野駅公園口』を読んだけど、くだらなかった。取材したメモを羅列しているだけで、それが前衛的な試みというのでもなく、たんに小説の体を成していない。ホームレスがこんなセリフしゃべるかよ。 恵まれた作家がホームレスの悲惨を書くことは、文…
堀新『13歳からの天皇制』を読む。 憲法の天皇に関する条項は、いったいこれは何なのだろうか。 天皇という存在が憲法によって規定されたのは、明治時代の大日本帝国憲法からであるが、これは第1条で「大日本帝国ハ万世一系ノ天皇之ヲ統治ス」と定め、第4…
かつては党派性などと言ったが、普段えらそうに政府を批判しているやつらが、映画や演劇や音楽や文学など自分が与する業界で不祥事が起きたとたんに、いっせいに口をつぐむか、愚にもつかない擁護をはじめる姿を目の当たりにすると、いまだに我々は部族社会…
ゲアリー・マーカス著/鍛原多惠子(翻訳)『脳はあり合わせの材料から生まれた』を読む。 原題は「クルージ(KLUGE)」という。これはエンジニアやプログラマーが、根底にある問題を本当には解決しないで、とりあえず暫定的な「あり合わせ」の解決策を説明する…
アメリカ人の二割が、アポロ11号の月面着陸はなかったと信じている。キリスト教原理主義者は、ダーウィンの進化論もデタラメだと思っている。 いくら証拠を積み上げたって彼らを説得することはできない。なぜなら知識の構成には二つの限界があるからだ。 以…
ピエール・バイヤール著/大浦康介(翻訳)『アクロイドを殺したのは誰か』(筑摩書房)を読んだ。 私が推理小説に興味を失ったのは、というよりもとから興味を持てなかったのは、真犯人というものは、いかようにでもこじつけできると思うからである。だから…
ピエール・バイヤール著/大浦康介(翻訳)『読んでいない本について堂々と語る方法』を読んだ。 テクスト論という胡散くさい批評理論があって、私は全く信じていないのだが、作品は作者の意図とは無関係に解釈されるべきだという流派である。だから小説を読…
山城新伍が昼間にやっていたテレビ番組に永六輔がゲストで出て、無名人名語録を紹介するというので、「まんこと言ってはいけません。ちゃんとおまんこと言いなさい」とやったのを見て、下劣なやつだと思ったことがある。 しかし、永六輔のそういう下劣なとこ…
サスキアは日本への旅行をとても楽しみにしていた。まずは寿司を食べに行った。トロもウニも、絶品だった。しかし残念だったのは、板前が日本人ではなく、インド人だったことだ。出された料理がカレーなら、こんな気分にはならなかったはずなのだが。 次に相…
ジュリアン・パジーニ/向井和美・訳『100の思考実験』より。 もっともらしく聞こえるパラドックスほど、深遠な思想という錯覚を効果的に生み出すものはない。こういうのはどうだろう。 「前に進むためには、うしろに下がらなければならない」。 自分でも作っ…
平野啓一郎の『ある男』を読む。 夫の「大祐」が事故で死んだあとに、その名前も経歴もすべて嘘だったことが発覚する。はたして夫は何者だったのか、というのが推理小説のように語られるのだが、これを推理小説として読むと、いろいろおかしなところがある。…
目次 まちがっている可能性を考えろ 三つの数字のルールを探れ 自分の思い込みを疑え 自分がまちがっていないか調べよう まちがっている可能性を考えろ 科学とは、反証可能性である。「反証」とはまちがいを立証することである。つまり絶対的に正しいものは…
戦争は悪である。どうしてあの戦争を止められなかったのか。だが、もしもあの戦争が起こってなければ、東京空襲も原爆投下もなく、現在とはちがう歴史になっていた。 ということは、すべての人の運命は変わり、私たちも生まれていなかった。私たちが今存在し…
神は「善い行いをせよ」と命じる。 しかしそれは、神が命じるから善いのか、それとも、善いことだから神が命じるのか。 神が善いとするものだけが善いなら、こどもを殺すことさえ善いことにできる。 それ自体が善いことだから神が善いとする、というのであれ…
有賀ゆう『キミにもできる スーパーエリートの受験術』(IPC:1994年)という本は絶版になっており、復刊の見込みもないため、古書価格が高騰している。この本は鹿砦社が著者に無断で再出版しているのだが、それも今は絶版のようだ。 しかし本というのは絶版…
畠山理仁『黙殺 報じられない“無頼系独立候補”たちの戦い』を読む。 マック赤坂がとうとう港区議会議員選挙に当選したが、この本もいくらかは当選を後押ししたのではないか。泡沫候補というのは蔑称だとして、畠山理仁は彼らを「無頼系独立候補」と呼ぶ。ど…
といっても私じゃないのでご安心を。若林亜紀『体験ルポ 国会議員に立候補する』という本のことである。 若林亜紀はこないだの参院選にオリーブの木から立候補して、政見放送で歌をうたって、またおかしな泡沫候補が出てきたと俺の中で話題になった。しかし…
岩井志麻子はテレビでバカなことばかりやってるが、作家としては一流である。私が好きなのは、『東京のオカヤマ人』の冒頭に収録された短編である。 岩井志麻子が岡山の高校生だったとき、女優のオーディションを受けに東京へ向かう。田舎で生まれ育った平凡…
清水潔『殺人犯はそこにいる』を読む。 調査報道に定評のある著者によるノンフィクションであり、未解決の連続幼女誘拐殺人事件の犯人を特定していることでも話題になった。しかしそれは「ルパン三世」に似ている男と書かれるだけで、実名が記されているわけ…
福田ますみ『モンスターマザー』を読んだ。長野の高校で起きた「いじめ自殺事件」についてのノンフィクションである。 自殺した生徒の母親の訴えで、校長が殺人罪で刑事告訴されるという事態にまで発展するのだが、生徒の自殺の原因はこの母親の異常な性格に…
羽田圭介『コンテクスト・オブ・ザ・デッド』を読む。 コンテクストとは文脈という意味であるが、わかりやすく言えば「お約束」のことである。 お笑いもライブも映画もスポーツも、世の中は「お約束」だらけである。「お約束」に従うことで、我らは一体感を…
橘玲『もっと言ってはいけない』を読む。 前著は挑発的でおもしろかったが、続編は「もっと不愉快な本」という触れ込みのわりには期待はずれ。 科学的な証拠(エピデンス)というが、たとえば「利己的な遺伝子」にしても、真木悠介『自我の起原』を読むと、…
Eテレに『100分de名著』という長く続いている番組があり、伊集院光が司会をしている。ところが番組で取り上げる名著を、伊集院光はほとんど読んでいない。名著を読んでいないのだから、まともな本を何も読んでいないということである。 かといって、伊集院光…
浅羽通明『『君たちはどう生きるか』集中講義』を読む。 「憲法とは悪質なる詐欺であった」という指摘がすごい。 憲法は人権や表現の自由などの様々な権利を国民へ保障してくれているが、そんなおいしい話はない。その権利を行使するには裁判費用などの金が…
栗原康の『アナキズム』(岩波新書)を読んだが、その幼稚さにあきれた。 アナキストで俳優の天本英世は、吉田照美から「アナキストというのは、泥棒やったり、女を強姦するんでしょ」と言われて激怒したことがあった。しかし、栗原康のこの本を読むと、そう…