2018-12-01から1ヶ月間の記事一覧

西部邁は親ばか

NHKの『事件の涙・死にたいと言った父へ~西部邁 自殺ほう助事件~』を見る。 西部邁の娘と息子が、父の自殺の原因についていろいろ語っていたのだが、本人が覚悟の上の自殺であったのだから、思想的な自殺ということでいいのではないか。それが思想家として…

岩波文化人の語るアナキズム

栗原康の『アナキズム』(岩波新書)を読んだが、その幼稚さにあきれた。 アナキストで俳優の天本英世は、吉田照美から「アナキストというのは、泥棒やったり、女を強姦するんでしょ」と言われて激怒したことがあった。しかし、栗原康のこの本を読むと、そう…

芸能人に学歴はいらない

テレビ番組の企画として、芸能人が大学受験に挑戦するというのをよくやっているが、受験というのは合格する人がいれば、落ちる人もいるわけだから、面白半分の売名行為でやるものではない。 世の中には受験指導のプロみたいな教師がいて、そういう教師に教わ…

芸能人は政治的発言をしなくていい

芸能人が政治的発言をするたびに、賛否の意見が飛び交う。それはその発言の内容についてというよりも、芸能人が政治的立場を表明することそのものが間違いである、といった論調が強い。逆に、アメリカでは俳優も歌手もコメディアンも、政治について積極的に…

めざましくんは日本の恥

『めざましテレビ』にレディー・ガガが出演していたが、インタビュアーが、めざましくんのぬいぐるみをプレゼントしているのを見て、まだこんなことをやっているのかと恥ずかしくなった。あんなものをもらって喜ぶ人がいるのか。 日本のタレント相手ならとも…

英語ができないのは差別か

ミス・ユニバース世界大会に出場したアメリカ代表の女性らが、ベトナム代表とカンボジア代表は英語ができない、と嘲笑したところ、これが人種差別であると批判が殺到した。 しかしそれを言うなら、ミス・ユニバースという品評会こそ、女性差別である。 この程…

チョコ食ってやせるなら何食ってもやせる

Eテレ『ドキュランドへ ようこそ!▽チョコレートで痩せる?~ダイエット商法のからくり』が、おもしろかった。 ドイツ人のジャーナリスト達がウソの科学論文をでっち上げる。 題して「チョコレートはダイエットに効果がある」「チョコレートを毎日大量に食べ…

税金泥棒どものオリンピック

森村進『自由はどこまで可能か-リバタリアニズム入門』を読んだ。 自由主義経済学者のフレドリク・バスティアは、悪い経済学者とよい経済学者を分かつものは、前者が行為や制度の結果のうちすぐに発生するもの、つまり「見えるもの」しか考慮しないのに対し…

カネこそすべて、と田中角栄は言った

田中角栄の品性を表すエピソードはいろいろあるが、オレが後世に伝えたいのは、宮崎学が『突破者』(南風社)の中で書いているこれ。 ちょうどその頃、御大の田中角栄も上機嫌だった。椿山荘で開かれた首相就任祝賀会。宴もたけなわになったところで、小さな…

男はなぜ失恋した女心を歌うのか

前から気になっていたのだが、井上陽水「心もよう」とか、松山千春「恋」とか、長渕剛「涙のセレナーデ」とか、堀江淳「メモリーグラス」とか、尾崎豊「ダンスホール」とか、男の歌手が女言葉で歌うのって、誰が最初に始めたんだろう。 歌舞伎の女形まで、さ…

教育は個人間の格差を拡大させる

安藤寿康『日本人の9割が知らない遺伝の真実』を読んだ。以下引用。 教育の役割は、知識のない人に知識を、能力のない人に能力を身につけさせることと考えられます。 文字を知らない人たちに文字を教え、計算のできない人に計算能力を身に着けさせ、宗教を、…

いいかげんな日本人

パオロ・マッツァリーノ『歴史の「普通」ってなんですか?』を読んだ。 「伝統」という日本語は、英語のtraditionの訳語として明治時代に作られた比較的新しい言葉だという(104頁)。ああ、なるほどと思った。伝統を重んじる保守思想も、近代主義への懐疑か…

差別される理由

糸井重里の推薦文がきもちわるいが、山岸俊夫の本を何冊か読んでみた。 まずは、『「しがらみ」を科学する』 第2章では、ロバート・K・マートン『社会理論と社会構造』に拠りながら、次のように述べている。 アメリカの白人たちが持っている黒人に対する考…