2013-01-01から1年間の記事一覧

カワサキ

川崎麻世というのは、川崎の出身だと思っていた。なにしろ名字が、川崎である。そんなバカなことはあるまいと言われそうだが、思い込みとは、そういうものではあるまいか。

人の振り見てなんとやら

岡野宏文・豊崎由美『読まずに小説書けますか』(初版・メディアファクトリー)を読む。演劇雑誌「新劇」の元編集長で、「小説のみならず戯曲などにも深い造詣を持ち」(著者紹介文より)という岡野宏文が次のように述べている。 あと、聖書つながりでおすす…

どっちもどっち

サンタクロースを信じているというのも相当なもんだが、56億7千万年後に弥勒菩薩が現れて衆生を救ってくれると信じているのも、相当なもんだ。

差別は差別

欽ちゃんファミリーの“わらべ”が歌ってヒットした「めだかの兄妹」(荒木とよひさ作詞)という歌がある。めだかの兄妹が川の中で、大きくなったら鯉やクジラになりたいと願うのだが、だけど大きくなっても「めだかはめだか」という歌詞である。 呉智英は『危…

アイドルとは何か

前回にひきつづき、なかにし礼『歌謡曲から「昭和」を読む』(NHK出版)からの引用。 昭和初期の音楽業界というのは、レコード会社が「専属制」を取っていて、作詞家・作曲家・歌手を自社専属として抱え込んで、制作から販売までを一手に行っていた。それが昭…

リンゴの唄の戦争責任

なかにし礼にとって、「リンゴの唄」は残酷な歌だという。 戦後すぐに大ヒットした「リンゴの唄」であるが、その作詞をしたサトウハチロ−は太平洋戦争中に軍歌をいくつも書いている。昭和20年2月には、「台湾沖の凱歌」(作曲・古関裕而)という軍歌を作詞し…

NHKオンデマンコ

NHK-BSのプレミアムステージで「頭痛肩こり樋口一葉」の放映があったのだが、じつはこの舞台劇には「ちっちっちんぽの毛、まけたらまんこの毛」というセリフがある。これは劇中で歌われる「じゃんけん唄(わらべうた)」の歌詞なのだが、北原白秋編『日本伝…

テレビ東京を見直す

高橋弘樹『TVディレクターの演出術』(ちくま新書)を読む。 どうせ、ヤラセは悪くないだの、おもしろければなんでもOK、とかいうような、浅はかで露悪的な自慢話を聞かされるのだろうと期待せずに手に取ったら、まったくちがっていた。なにしろ著者はTVディ…

ラサールなんとか

ラ・サールといえば進学校で知られるが、わが国におけるラ・サール会による学校運営の本格的な始まりは、戦後、仙台で設立された孤児院からである。その孤児院で育った井上ひさしは、カナダ人修道士たちの献身的な態度を、次のように記している。 わたしが信…

まさかの真逆

Eテレの「SWITCHインタビュー」という番組で、内田樹と観世清和が対談していたが、両者とも「真逆(まぎゃく)」という言葉を使っていた。「(能は)現代とは真逆の世界です」といった調子である。 内田がこうした流行語を使うのは勝手だが、世阿弥の子孫で…

人生は変わらない

ETV特集「寺山修司という宇宙 園子温×穂村弘」を見た。園子温は「寺山修司に人生を変えられた」と話していた。 しかし、子供の頃からおかしかったやつが、おかしな映画監督になったのであり、何ら人生が変わったわけではない。寺山修司を好きだというよう…

ビートルズはたいしたことなかった

YMOはたいしたことなかった

樋口毅宏『タモリ論』に佐々木教のことが書いてあって、「日本のロック創世期の、あるバンド」について、次のように語ったという。 現在では伝説化されているロックバンドで、観たものはみな、「歴史の証言者」を気取って熱く語りたがりますが、教さんは至っ…

植毛とかヅラとか

板東英二が7500万円の申告漏れの謝罪会見を開いて、なぜか長年植毛をやっていたというカミングアウトを行ったわけであるが、これをはたして「とくダネ!」はどうやって放送するのかと、おれも興味をかきたてられてその放送を見たわけであるが、司会の小倉さ…

ミシュランざまあ

有名ホテルやレストランが食材を偽装表示していた問題であるが、車エビがじつはブラックタイガーだったとしても、客がそれを車エビだと思って食って満足していたのなら、それはそれでいいではないかという気もする。 吉幾三がむかし喫茶店でバイトをしていた…

松本人志の次作に期待

松本人志の映画が大コケとか。これで映画監督としての才能がないことが明らかになったと思うが、それでもまだ彼に映画を撮らせるようならそれはもう企業の責任である。 NHKでドキュメント72時間「よしもと 正念場の夏合宿」というのを見たが、ひどいものだっ…

バカにしつつホメる

サブカル評論に特徴的なのは、バカにしつつホメるという態度である。本心では「あんな、くだらねえものを」と思っていながら、「そこがいいのだ」という調子でホメるのである。こういう、ねじれ具合といい、屈折のしかたは、おれも育ちがサブカルなんでよく…

七年ごろし

Eテレ『7年ごとの記録「28歳になりました」』を見る。これは7歳の子どもを7年ごとに追い続ける長期ドキュメンタリーである。しかし長期取材といっても、7年ごとに取材対象者を訪ねてちょっとカメラを回して近況を聞くだけだから、手間も金もさほどかかってな…

言葉についての言葉

Eテレ『課外授業 ようこそ先輩』、金田一秀穂(日本語学者)の回がおもしろかった。 「筆箱」には筆が入っていないのに、なぜ「筆箱」と言うのか。 同じく、「粉」でないのになぜ「歯みがき粉」か。「黒板」を消すわけではないのに、なぜ「黒板消し」なのか…

ダンダリン、ワロエナイ

日テレ「ダンダリン 労働基準監督官」第1回を見たけど、マンガみたいなドラマだと思ったらやっぱりマンガが原作か。正義感を発揮してパワハラ社長を逮捕するのはいいが、それでどれほどの罪になるのか。ああいう社長が逮捕されたくらいで改心するとは思えな…

でかくない

エジソンの名言について

「天才とは1%のひらめきと99%の努力である」というエジソンの名言には諸説あるようで、ざっと調べてみたが出典も定かでない。中山正和『創造思考の技術』(講談社新書)には、次のような記述がある。 説得がまずかったために、すぐれた案がついに陽の目を見…

踊る阿呆に

佐々木中『踊れわれわれの夜を、そして世界に朝を迎えよ』を読む。 もともとそういう素質があったのか、ますますアジテーターのようになっている。表題のインタビュー記事は、風営法によるクラブ営業の規制に対する反対意見を述べたものだが、その根拠として…

平和主義者の暴力

松元雅和『平和主義とは何か』(中公新書)を読む。平和主義という言葉の響きには、どうも理想論に過ぎないものを感じるのだが、これを読んでもその感じはぬぐいきれなかった。いかなる暴力も認めないというガンジーやキング牧師を「無条件平和主義」だとす…

読者はバカだからだましやすい

『闇金ウシジマくん』はおもしろいが、まあ、読後感はよくない。たとえば「楽園くん」編というのはファッションに金をつぎ込んで破滅していく若者の話だが、小学館だってファッション雑誌を出しているのである。 ファッション雑誌では、これが流行だ、おしゃ…

世界からオリンピックをなくすために

オリンピックの開催がきまり、都立葛西臨海公園にカヌー競技場が建設され、それによって環境が破壊されるというので反対運動がおきている。次のブログを読むと、なんともやりきれない気持ちになる。 25年かけて取り戻したもの、今、一瞬に たしかに、かつて…

原田宗典と大人計画

原田宗典が覚醒剤所持で逮捕されたというのは、なかなかびっくりした。金もあり女にもてそうな作家だったがそれでも心には暗いものを抱えていたのか。 松尾スズキの主宰する大人計画に『ヘブンズサイン』(1998年)という芝居があって、この中で原田宗典がバ…

人は生涯にいくつのタフマンを見るか

バレンティンがとうとう王選手のホームラン記録55本を抜いた。たいしたものである。 それにしてもヘルメットに貼られたタフマンの広告は何とかならぬものか。記録がかかった大事な試合である。あの映像が後世まで残るのである。ヤクルトもちょっとは考えろよ…

がっかり感、ハンパねぇ

新型ロケットのイプシロンの打ち上げに成功したが、あれはこの前の失敗の方がおもしろかった。 なにがおもしろかったかと言えば、打ち上げを楽しみに見守っていた子供たちが、3、2、1、とカウントダウンを始めて、いよいよ飛ぶぞと思ったときに、あれ……?…

低俗なものの勝利

大衆文化とは何か。その答えのひとつが、ジェーン&マイケル・スターン『悪趣味百科』(新潮社・伴田良輔監訳)にある。つまり、悪趣味なのだ。「品の良いものよりも、悪趣味なもの」が求められ、世界を席巻している。 アメリカは、悪趣味の宝庫である。本書…