2011-11-01から1ヶ月間の記事一覧

全俺が吹いた

クロード・ガニオン監督の『Keiko』であるが、これは二十年ほど前にビデオで見て、あまりのつまらなさに途中で投げ出したのだった。それを今回あらためてDVDで見た。 京都で暮らす若い女が、映画館で痴漢にあうオープニングから、恩師を誘い出して処女を喪失…

乙羽さん乙

名作との誉れ高い新藤兼人監督の『裸の島』であるが、どうにもつまらなかった。あんな百姓はいない。 このところドキュメンタリーばかり見てきたせいか、すべての演技がうそ臭く、乙羽信子と殿山泰司が貧しい百姓のコスプレごっこをやっているようにしか見え…

ここは京都どす

映画『チャイナタウン』のラストであるが、まあ悲惨な事件が起こって主人公が呆然としている中、刑事が寄ってきて肩を抱き、「忘れろ、ここはチャイナタウンだ」と言うのである。しかし、このセリフはあんまりではあるまいか。 引ったくりにあったおばあさん…

おっさんは心配性

レンタル店でジャケ借りした『遊泳禁止区域 〜前田弘二作品集2』が、けっこうおもしろかった。てきとうに借りたDVDが当たりだったりすると、ずいぶん得した気になる。 最近の若手作家のものを見て思うのは、どれもマンガだなということである。こいつらどう…

プライドにとって賛美とは何か

たかがスポーツ選手の活躍を、我々はなぜあれほどまでに手放しで賛美できるのだろうか。猛練習によって甲子園に出場した高校生は地元の誇りであるが、方や、猛勉強によって東大に合格した高校生は、賞賛されるどころかその成功をねたまれ、存在を無視される…