2010-01-01から1年間の記事一覧

おしゃべりスキゾキッズ

youtubeで若き日の浅田彰を見る。1986年の『ビデオ進化論』という番組らしい。 これほど優秀な京大の研究者が、たいした学問的業績も残さないで老いさらばえていった姿を、この時いったい誰が予想できただろうか。構造と力―記号論を超えて作者: 浅田彰出版社…

死ぬのがこわい

テレビには、いやなやつばかりが出ている。それでも、ああ、この人たちもいずれ死ぬんだなあ、と思うと、少しは気が晴れる。 時々僕は自分が一時間ごとに齢を取っていくような気さえする。そして恐ろしいことに、それは真実なのだ。 (村上春樹『風の歌を聴け…

推理小説を読む阿呆に書く阿呆

森博嗣の『小説家という職業』(集英社新書)。 これは小説家になるための指南書なのだろうが、森博嗣はこう書いている。 「もしあなたが小説家になりたかったら、小説など読むな」 これは逆説でも皮肉でもなくて、森は本当にそう確信しているようだ。「小説…

「白熱教室JAPAN」がまったく白熱してない件

教授「きみたちは、『白熱教室JAPAN』という番組を見たかな?」 学生A「はい先生。いえ、ほんとうは半分しか見てません、だって、あまりにつまらなかったんですもの」 教授「それはどうして?」 学生A「だって、『このままだったら地球は40年もたない、どう…

電凸の作法

民法のテレビ局にいくら苦情の電話を入れたって、てきとうに聞き流されて終わり。 純丘曜彰の『きらめく映像ビジネス!』(集英社新書)には、次のように書かれている。 マスコミ(マスコミュニケーション)などといいますが、テレビの実態はまさに「放送」…

クラシック音楽は金持ちの道楽

クラシック音楽を知識として勉強したいだけなら、金はかからない。 大きな図書館には、たいていクラシックのレコードやCDがそろえられてあって、タダで聴くことができる。偉大な作曲家についての解説書のたぐいも、主要なものは図書館に置いてある。クラシ…

思い出の綿矢りさ

大塚英志『大学論』(講談社新書)より引用。 ぼくは以前、金原ひとみが話題となった時、彼女の小説をそれよりずっと前、同人誌で目にしていたことのある老批評家が、こういう自傷行為をカミングアウトするような表現をせざるを得ない幼さや危うさを抱えたま…

犬鍋とか愛とか

『週刊女性』(11月2日号) 草なぎ剛(36)行きつけ 東京・新大久保・犬鍋店見つけたッ! 新大久保って、もうすっかり韓国になってるなあ。 ◇ 最近は電車の中で、みんな携帯ばっかりやってて、本を読んでいる人を見かけなくなった。 日本ではサラリーマンが電…

蚊とは、なにか

蚊に刺された。かゆい。 なぜ、蚊に刺されたら、かゆくなるのであろうか。 調べてみると、刺される時に入る蚊の唾液が、人の皮膚にアレルギー反応を起こさせるためだという。 しかし、おれが知りたいのは、そういうことではない。 なぜ蚊は、人の嫌がること…

無料の貸し本屋

とある図書館で、村上春樹の『1Q84』の予約状況を調べたら、240人待ちだった。 1人が2週間借りるとして、1ヶ月で2人。1年で24人。 最後の人が借りられるのは、10年先である。 あほか、おまえら。読みたいなら、いますぐ買えよ。 10年たって、自分の順番が回…

優しくない三谷幸喜

三谷幸喜・脚本の芝居『君となら』の元ネタは、アラン・エイクボーンの『レラティブリー・スピーキング』(邦題「こちらがあたしのお父さん」「パパに乾杯」)だと気づいた。よくできた脚本だと思ったが、その「よくできた」部分は、エイクボーンのアイデア…

供述をくつがえす

被告が、刑事や検察官の取調べにおいて、いったんは罪を認めておきながら、裁判になるとその供述をくつがえすというのは、どうなんだろう。いろんな問題があるように思う。 取調室で刑事の暴力的な言動におびえて、やってもいない罪を自供させられた、という…

おっとう

押尾学の裁判で、亡くなった女性の母親が法廷に立った。 その証言の中で、(定年を迎える父親のことで)「娘に『おっとうが最後と決めた日に弁当を作って送り出したい。必ずその日を教えて』と頼まれていました」というのがあった。 この「おっとう」という…

うんうん、うるさい

鳥越俊太郎というタレントは、他のゲストが話しているときに、平気で「うんうん」だの「うーんうーん」だのと唸り声みたいな相槌を入れる。これが、うるさい。 その声をまたマイクがきちんと拾うのだ。みょうな低音のノイズがスピーカーから聞こえてくるもん…

道を尋ねられたり、隣に座られたり

表を歩いていると、けっこう人から道をたずねられることが多い。 「○○駅へはどう行けばいいですか?」とか。 「この近くに○○というお店はありませんか?」とか。 一日に三度もそういうことがあった時には、おれはどうやら他人から、道をたずねたら教えてくれ…

カーブはなぜ曲がるのか

おれの決め球は、カーブだ。 小学生の時に本で読んだ「カーブの投げ方」をそのまま試してみたら、本当に曲がった。ゴムボールだったけど、まるで水島新司のマンガみたいに、ククッと曲がったのだ。 これには一緒にキャッチボールしてた友達も、投げたおれも…

電車の逆走

電車に乗っていると、なんかこれ行き先と逆の方向に走ってるんじゃねえか、と思うことがある。 なんでだろうな。ちょっと気になったので考えてみた。 仮説1。 映画におけるイマジナリーラインの問題と似たことが起こっているのではないか。 電車の進行方向…

思い出のカブトムシ

知人からスイカをもらったのだが、なにしろこの暑さだし、食べ終わる前に少し腐らせてしまった。 それでも、もったいないので腐りかけのスイカを食い始めたら、カブトムシのことを思い出した。 腐りかけのスイカというのは、カブトムシのにおいがする。 子供…

読ませていただきました

文法的に正しかろうが、まちがっていようが、不愉快な言葉というのはある。 おれはどうも「読ませていただきました」というのが苦手だ。 TBS「王様のブランチ」で、書籍の情報コーナーに毎回作家が登場する。それで、若い女性リポーターがインタビューに行く…

無縁坂の母

さだまさしの『無縁坂』を聴くと、おさな子の手を引いて坂道を登っていく老母の姿が思い浮かぶのだが、考えてみるとこの歌詞の一番は、「まだ若い頃」の母を歌ったものである。そうすると二十代か、三十代前半までだろう。 しかし若い人妻(または未亡人)と…

山頭火という俗物

種田山頭火の、書を見たことがある。 べつにそれが目当てではなく、とある展覧会に行ったら、会場の一角に展示してあった。 短冊に筆と墨で、「まつすぐな道でさみしい」だの「分け入つても分け入つても青い山」だの、くだらぬ俳句が書いてあった。その字が…

「愛こそすべて」ではない

愛さえあれば、世界から争いがなくなるとか、人が幸福になれるとか、主張する人がいるが、大きなまちがいである。愛にも、いろいろなものがある。 『世界で一番美しい夜』という映画では、世界平和のために縄文人の性欲を研究する元過激派というのが出てきて…

もし俺がドラッカーを読んだら

ドラッカーというくだらぬものが流行しているので、一言申しておきたい。 あんなものは商人道徳である。 商人の仕事は、ゼニ儲けである。安く仕入れて、高く売ることである。そこにはなんら高尚な理想も哲学もない。 ゼニ儲けは、いやしいことである。世の中…

地デジのいぢわる

総務省が地デジ専用アンテナとチューナーをタダで貸してくれるぞ。 http://digisuppo.jp/index.php/antenna/ さっそく申し込んで、うちのテレビに取り付けてみたのだが。 チューナーというのは、ビデオ入力端子に取り付けることになっておる。ということは、…

コミックバンドなんかいらない

中国のことばかり言えない「パクリ天国」日本 少し前にこんな記事が出て、それについて2ちゃんねるのスレがにぎわった。 日本のミュージシャンがどれほど洋楽からパクってきたか、そういうのはネットを調べれば、ぞろぞろ出てくる。 おれが日本のロックやポ…

革命なんか認めないですわよ

池田理代子のマンガ『天の涯まで・ポーランド秘史』。 「秘史」となっているが、英雄ユーゼフ・ポニャトフスキを主人公に、ポーランド分割の悲劇を歴史に忠実に描いている。とにかく、わかりやすくて、おもしろい。ポーランドのややこしい歴史が、こんなにわ…

部活って何の役に立つんですか

『書道ガールズ』だっけ、成海璃子が好きだから見てもいいんだけど、どうせテレビでやるだろうし、ストーリーもまた例のあれだろ、高校生が部活でがんばるという、だからチラシだけもらってきた。 男子のシンクロに、女子のジャズバンド、野球、サッカー、バ…

うどんって小麦粉よ!

うどん作ってみた。 作り方は、ネットで調べた。参考にしたのがこちらのサイト。 簡単手打ちうどんの作り方 うどんを打とう 【材料】近所のスーパーとダイソーで調達。 日清「手打うどんの小麦粉」1キロ、300円。 かたくり粉、200円。 ヒガシマルうどんスー…

ロックの上にも三年

A rolling stone gathers no moss.(転がる石には、コケが生えない) このイギリスのことわざは、日本でわりに知られている。しかしその意味を、正確に理解している人は少ない。 「動かない石は、やがてコケが生えて汚くなる。しかし転がる石はコケが生えず…

セックス・アンド・ザ・シティ

主演女優が来日したというので、テレビの芸能ニュースはこれの宣伝ばかりである。 しかし困ったのは、この映画のタイトルである。朝の情報番組では、『SATC』と略しているところもある。たしかに、朝っぱらから「セックス、セックス」と連呼されては、かなわ…