2015-01-01から1年間の記事一覧

マッチでーす

紅白歌合戦のトリが近藤真彦ということでいろいろ不満の声もあるようだ。 今の若い人は知らないだろうが、当時のマッチの人気たるや、それはそれはすごかった。「マッチでーす」とテレビに登場するだけでお茶の間は爆笑に包まれた。コンドーです。こ、こ、小…

鴎外の漫談

プレミアムステージで永井愛の「鴎外の怪談」を見た。怪談というからお化けでも出てくるのかと思ったら、くだらぬ左翼芝居だった。井上ひさしの評伝劇と同じで、歴史上の人物の口を借りて、自分の意見(平和とか民主主義とか)を訴えるわけだ。大逆事件で死…

音楽という暴力

数年前に話題になった映像である。 タイムズスクエアで、一人の牧師がスピーチを行っている。イスラム教を糾弾するその内容に、誰かが抗議の声を上げる。しかし牧師は意に介さずスピーチを続ける。とつぜん、ある男性がビートルズの「All You Need Is Love(…

君が僕を知らない

菊地成孔の『レクイエムの名手 菊地成孔追悼文集』(亜紀書房)から、清志郎への追悼文。 ただしい記憶ではないので、ファンの方々には失礼に当るかもしれませんが、もしよろしかったら、正しい情報は、どうかワタシに教えないで下さい。ワタシは、曲のタイ…

ヒモザイルの感想

東村アキコの『ヒモザイル』が炎上して休載したということだが、最初の2話を読んでみてけっこうおもしろかった。「実際の出来事を元に描いて」いくというのであれば、この騒動も格好のネタになるはずなのに、しかもジェンダーとか炎上とか社会性のあるネタが…

なぞのチャンチキおけさ

三波春夫のヒット曲は「チャンチキおけさ」であるが、この歌詞は奇妙である。「知らぬ同士が小皿たたいてチャンチキおけさ」というのであるが、ここで歌われている「チャンチキおけさ」とは、いかなる歌か。三波春夫のデビュー以前に「チャンチキおけさ」と…

スター・ウォーズで例えると

そういや、「スター・ウォーズ」って見たことないような気がするな。テレビでやってたのをビデオに撮ったことはあるんだけど、それも見ないまま押入れだな。ファンがリア充っぽいのがいやなんだろうな。こんなやつらと価値観を共有したくないという。 「価値…

宅配ピザ屋のバイトで失うもの

TBS「がっちりマンデー」(11月29日)で「ピザーラ儲かりのヒミツ」というのをやっていた。 ピザーラ内でピザ作りのコンテストがあり、1万2千人の店員中、1位を獲得した女性が紹介されていた。見事な手際のよさだった。しかしこの女性、12年も勤めていまだに…

ホモの話じゃありません

読売新聞に編集委員の芥川善好が「時の余白に」という随筆を寄せている。1968年4月に厚生年金会館で開かれた「詩に何ができるか」という催しについての回想で、ある詩人(大岡信)の講演に「強烈な一撃を食らった」として次のように書いている。 登場した詩…

サブカルジャニーズ

NHK『ニッポン戦後サブカルチャー史』を見ているが、あの受講生でずっと出てる若い俳優のコメントは、いらないんじゃないか。まあたぶん彼が愛するサブカルは俺が知ってるサブカルとはぜんぜん別の何かだろうけど、そんなにサブカル好きなら、北公次の『光GE…

原節子は美しいか

原節子の追悼記事でいろんな著名人がコメントしてるんだけど、なかなかひどい。新聞社というのはもうすぐ死にそうな人の追悼記事をあらかじめ作っておくものらしいが、他にもっといいコメントを用意しておくべきではないか。たとえば次の川本三郎のコメント…

反戦ポルノ

二階堂ふみが好きなのだが、出演している映画はどれもつまらない。せっかく才能があるのだからもっといい仕事に巡り合えますように。『この国の空』なんか、反戦映画を装ったポルノである。男が戦争やってるときに女は、妻子ある男とセックスしているのであ…

日本一の最低男と神対応

日テレ『誰も知らない明石家さんまの真実を暴く!』を見る。 ファンから握手や写真を求められたらどんな時でも必ず応えるというさんまの姿勢が、ファンを大切にする神対応だと話題になっている。私もこれを見てたいしたものだと感心したが、それとは裏腹に、…

自衛隊は憲法違反である

SEALDsが、日本の政治や歴史を学ぶための書籍十五冊というのを発表した。そのメンバーによれば、「自由や民主主義を議論する時、土台として知識を共有できる本をみんなで選んだ」ということらしい。この中に芦部信喜の『憲法 第六版』(岩波書店)も含まれて…

トンビがタカを生む法則

『たまたま――日常に潜む「偶然」を科学する』レナード・ムロディナウ著/田中三彦訳(ダイヤモンド社)を読む。 フランシス・ゴールトンが発見した「平均回帰」という法則がおもしろかった。 背の高い父親から生まれた息子は、たいていその父より身長が低くな…

名字は女のものか

夫婦別姓の裁判って、別姓の婚姻届が受理されないことによる慰謝料100万円を、国に請求してるのか。こんなの最高裁で認めたら、もう日本中の女どもがわれもわれもと目の色変えて国家賠償請求するぞ。いいのか。一人100万ばらまくつもりか。 だがちょっと待っ…

「天才バカボン」は誰のものか

ETV特集「全身漫画家〜真説・赤塚不二夫論〜」を見る。赤塚のマンガはほとんどスタッフが描いていたというのはわりに知られているが、アイデアの8割は古谷三敏で、キャラクターの8割は高井研一郎だという。 それで売れて、遊び狂ってマンガから離れていった…

紋切型ばんざい

客「武田砂鉄の『紋切型社会』を読んだかね?」 主「立ち読みで、放り出した。フローベールの『紋切型辞典』やビアスの『悪魔の辞典』があるのに、なんでわざわざそんなのを読まなくちゃならない」 客「まあそう言うなよ。本田靖春と竹中労が好きで、紋切型…

マック閉店ポスターがせつない

マクドナルド大分店で、閉店の告知用に貼られたポスターが「切ない」「不覚にも感動」と話題になっている。後ろ姿で手を振るドナルドに「See you」の文字。これはぜひ見てみたいが、大分店までは遠いので、うちの近所の店も早く閉店してほしい。

おじさん、きもい

リリー・フランキーというおっさんが、きもち悪くてしょうがない。なるべく見ないようにしているのだが、NHKの対談番組の番宣で、宮沢りえに「男性の前でおならとかできますか?」と聞いてるシーンが繰り返し流れてて吐きそうになった。自分ではおもしろい話…

指揮者がいらなくなる日

指揮者ってなんでいるんだろう。あんなもん正面にモニター据えて、指揮者のビデオ流せばすむ話じゃないか。カラヤンでもバーンスタインでも一流の指揮者の映像が使えるなら、わざわざ三流以下のおっさんに棒ふらせる意味なんかねえだろ。 人間の動きをそのま…

違憲訴訟は権利の濫用である

安保関連法が憲法9条に違反するというので、憲法学者らが集団訴訟を起こす気だと、NHKのニュースでやっていて唖然とした。 19日成立した安全保障関連法について、憲法学者などは「憲法9条に違反する」として今後、集団で国に対する裁判を起こすことにしてい…

これがニーチェだ

永井均は倫理に反することを平然と書く。たとえば次のように。 なぜ人を殺してはいけないか。これまでその問いに対して出された答えはすべて嘘である。道徳哲学者や倫理学者は、こぞってまことしやかな嘘を語ってきた。ほんとうの答えは、はっきりしている。…

ツンボ、ビツコ、うんこ

Eテレセレクションで、舞台「浮標」(長塚圭史演出)をやっていた。冒頭に、「放送上、不適切な表現を部分的に編集しています」と出たので、三好十郎の原作戯曲を手元に置きながら見る。 近頃、BSのプレミアムステージなんかじゃ「乞食」というセリフもその…

政治的に正しいアート

スプツニ子!がtwitterで次のように書いている。 というか「作品で伝えたいメッセージ」という言い回しを早く撲滅してほしい。「メッセージを伝えよう」と作品つくってる作家なんているのか。安易に答えが見えないから作品で模索してんじゃん。もしメッセー…

おもひでぽろぽろの感想

「おもひでぽろぽろ」をテレビで見る。これは1991年のアニメであるが、1986年に男女雇用機会均等法が施行されて、ようやく女性の社会進出が認められようとしていた時期に、こういうアニメを世に問うというところに高畑勲の凄みがある。 バリバリ働いて、結婚…

おおかみこどもの感想

「おおかみこどもの雨と雪」をみたら、不覚にも感動した。近ごろ、公園で子どもを遊ばせているお母さんを見るだけで、ふと涙が出そうになるのだが、この感動もそういうものかも知れない。 いくら愛情を注いで育てたところで、おおかみになるやつはなる。

太陽の季節の終わり

このあいだの「新報道2001」に、石原慎太郎の鼻毛が出ていた。いや、出演していたのは石原慎太郎でその鼻から鼻毛が出ていたのである。 私は、ひとつの時代が終わったのだと切に感じた。キミは他人に鼻毛が出てますよと言えるか デラックス (朝日文庫)作者: …

危険ドラッグと危険自動車

危険ドラッグを吸って自動車を運転し、交通事故をおこすという事例が増えている。そこで政府は規制や取締りを強化し、危険ドラッグの根絶を図ろうとしている。 しかし、交通事故なら飲酒運転のほうがはるかに多い。危険ドラッグを取り締まるなら、酒も取り締…

18歳選挙権は憲法違反である

安保法制は憲法違反だ、として批判が高まっている。集団的自衛権を行使するなら憲法9条を改正しなければならない。しかし憲法改正は、ハードルが高くてできない。それならばというので、閣議決定により条文の解釈を変えたのだ。解釈改憲という方法である。 …