電車の逆走

 電車に乗っていると、なんかこれ行き先と逆の方向に走ってるんじゃねえか、と思うことがある。
 なんでだろうな。ちょっと気になったので考えてみた。
 仮説1。
 映画におけるイマジナリーラインの問題と似たことが起こっているのではないか。
 電車の進行方向に向って右側に立ち、右側の窓を見ると、景色が左から右に流れている。しかし途中で体をくるりと反転させて、左側の窓を見ると、景色の流れる向きが逆になる。このため、電車が逆走していると感じるのではないか。
 仮説2。
 体内時計と似たようなもので、「体内・方位磁石」というのがあるのかもしれない。
 自分の中で「こっちが北」というのが決まっている。ところがそれが地図上の北とはズレていて、電車はちゃんと「北」に向って走っているのに、おれの「体内・方位磁石」では「そっちは南だろ」ということになっていて、電車が逆走していると感じるのではないか。

 福満しげゆきうちの妻ってどうでしょう?』を読んだら、彼もまた、電車が逆走していると感じることがある、と書いていた。
「電車の逆走」おわり