さだまさしの『無縁坂』を聴くと、おさな子の手を引いて坂道を登っていく老母の姿が思い浮かぶのだが、考えてみるとこの歌詞の一番は、「まだ若い頃」の母を歌ったものである。そうすると二十代か、三十代前半までだろう。
しかし若い人妻(または未亡人)といえば、これはもう、お色気むんむんであることは、国連でも認められている。
そんな若い母が、ため息をついてばかりというのは、これはどれほど薄幸な人生であろうか。
二番の歌詞では、老いて「小さくなった」母の姿が歌われるのだが、この歌が発表されたのは1975年で、さだまさしは当時まだ23歳である。母の年齢といっても、せいぜい五十前後であろう。
しかしその年代の熟女といえば、これはもう、お色気むんむんであることは、憲法にも定められている。
にもかからわず『無縁坂』を聴くと、どうしても老いた母のイメージが浮かぶのである。
「ダメだった…」の一言でもいい……(泣)