映画

「母べえ」はつらいよ

『母べえ』という映画が、大変に評判がよろしいようでございますので、これは女房を質に入れても見にいかねば、と思っております。 なにしろ主演女優が「永遠のマドンナ」こと、吉永小百合(62)でありますし、それが志田未来(14)、佐藤未来(10)のおばあ…

おいしいとこだけ

ゴダール式映画鑑賞法映画を、20分見たら次の映画館に移動。そこで20分みたら、また次の映画館に移動。ゴダールはこのように、ちょっとづつ細切れに映画を見ていたという。 (永江朗『不良のための読書術』による) ◇ ある日のおれのテレビ鑑賞法テレ朝…

昭和エログロ

ギャオで、増村保造の『赤い天使』増村監督の映画は好きではないのだが、タダで配信されているので、これまでに『卍(まんじ)』、『でんきくらげ』、『遊び』をとりあえず見た。(すごいタイトルだ) その中では、『赤い天使』がいちばん興味深かった。昭和…

ごくせんガメラまるっと

正月なので怪獣映画『ガメラ3 邪神覚醒』(1999年)キャンプ場。女の子が男友達を誘って、林に入る。 そこに怪獣イリス出現。 二人は襲われて、女の子はイリスに体液を吸われ、一瞬でミイラのような顔になって死ぬ。その役をやってたのは、仲間由紀恵。 出演…

時空を超えた恋人たち

映画『きみにしか聞こえない』の原作小説、乙一の『Calling You』が発表されたのは雑誌『ザ・スニーカー』2000年4月号である。 この短編が収録された『きみにしか聞こえない』(角川文庫)のあとがきで、乙一は次のように書いている。 完成した『Calling You…

椿三十郎は名作か

『椿三十郎』のリメイクが話題になっていますが(いろいろな意味で)、そもそもあれは、それほどの名作であろうか。『用心棒』の続編として作られたそうだが、ただの二番煎じではないか。黒澤明の『用心棒』を、時代劇らしくない現代風アクション映画と評し…

タケシズ

北野武の映画『TAKESHIS'』の、あまりのくだらなさに、ちゃぶ台をひっくり返す。(イメージ)お笑い芸人が片手間に撮った映画を誉めそやす映画界をからかうために、わざと駄作を撮った、としか思えない。その映画さえ、ほめる奴がいるんだから、もはや痴愚神…

非人間的な、あまりに非人間的な

ミヒャエル・ハネケ監督『ファニーゲーム』じつにいやな気分にさせる映画でして。この監督は、悪意の塊なんじゃないかと、思ったりするのは、救いのない暴力シーンを、延々と続けながら、フィルムを逆回転させたり、カメラ目線で挑発したり、娯楽映画になれ…

清く貧しく美しく

映画『フラガール』をテレビで。これはどうみても、蒼井優より、その友人・早苗役の徳永えりの映画だろ。オープニングショットでフラガール募集の貼り紙を見つけ、蒼井優をさそってレッスンを始め、いよいよ舞台デビューという直前、父の猛烈な反対で断念さ…

へろ

招待券をもらったので、映画『HERO』見てきました。事件の設定はよかったですね。アリバイ崩しと、政界汚職と、法廷ドラマがリンクしていて。でもやっぱ長いですね。2時間超えの映画は、それだけでマイナスポイント。この手の映画は、ジャンクフードに似てま…

にっぽんサルバドル

映画『サルバドル/遥かなる日々』 内戦のエルサルバドルを描く傑作。ニコラス・ケイジが武器商人を演じる『ロード・オブ・ウォー』と一緒に見ると、アメリカという国の実態が何も変わっていないとわかるとともに、20年前にアメリカ批判の映画を撮っていたオ…

ねこぢる草

アニメ『ねこぢる草』を見ました。 2001年、文化庁メディア芸術祭優秀賞。演出:佐藤竜雄、湯浅政明ねこぢるのマンガは、べつに好きではないのだが、このアニメは良かったです。原作を超えたアニメというのは、こういうものを言うんだな。原作者のねこぢるの…

蓮實重彦に目が眩んで

伊丹十三と蓮實重彦は、伊丹氏の手料理を食しながら、対談するほど仲が良かったのに、映画『お葬式』のあとは、絶縁状態だったようだ。その原因は不明であるが、蓮實重彦は『帰ってきた映画狂人』で、こう述べている。 324ページから引用 『お葬式』はちっと…

時をかける少女

テレビでアニメ『時をかける少女』 なつかしいなあ、と思いつつ見る。少し気になることがあったので、書店へ寄ったついでに、原作の文庫本を立ち読み。それで、いったん本を書棚に戻し、別の棚を回って、やっぱり買おうと思って、戻ると、書棚から本が消えて…

マッチと明菜

中古ビデオを、ついつい買ってしまう。 『愛・旅立ち』を、100円で買う。近藤真彦と中森明菜、共演の映画。 内容は、まだ見てないけど、どうせ「ヤンヤン歌うスタジオ」でやってた青春ドラマみたいなもんだろ。 不治の病に冒された少女と、彼女に生きる希望…

飢餓海峡

内田吐夢監督の『飢餓海峡』左幸子、伴淳三郎の名演で知られ、名画との誉れ高いが、今見直すと、はたしてそうか。まあ、3時間は長く感じましたよ。この程度の推理小説なら、2時間ドラマでまとめられる内容。原作者の水上勉というのは、松本清張の二番煎じで…

ユーモアは国境を越えない

『殺人の追憶』がよかったので、ポン・ジュノ監督『ほえる犬は噛まない』を見ましたけど。うわー、これはひどい。犬の首にロープを巻いて、天井からつるす。犬をマンションの屋上から投げて、殺す。埋められた犬の死体を、掘り返して、食う。これコメディと…

レディ・イン・ザ・ウォーター

M・ナイト・シャマラン監督というのは、作品を撮るたびに、信用を失っているような気が。 新作『レディ・イン・ザ・ウォーター』『文学界』2006年11月号・阿部和重×中原昌也の対談で、絶賛されておりましたのでとりあえず。まあいつものシャマラン節というか…

オラ、机龍之介

市川雷蔵主演『大菩薩峠』全3巻をDVDで。 『大菩薩峠』『大菩薩峠 竜神の巻』(三隅研次監督) 『大菩薩峠 完結篇』(森一生監督)市川雷蔵は、眠狂四郎よりも、こっちの方が好きです。この机龍之介という主人公は、理由もなく人を斬る。大菩薩峠で、孫娘を…

大いなる幻影

黒沢清監督の映画『大いなる幻影 Barren Illusion』 DVDを借りてきて見ているうちに、あれ? この映画、前に見た。と気付く。まあ、内容を忘れてしまう映画ですから、その程度のものでして、公開時に映画館で見たのですが、さっぱり、わかりませんでした…

ロッキー

ギャオで映画『ロッキー』バカにしてたけど、ちゃんと見ると、いい映画でした。おれが年取ったせいだろうか。町山智浩『映画の見方がわかる本』によれば、映画のモデルとなったのは、モハメド・アリと戦ったチャック・ウェプナーという無名のボクサー。1975…

ハーマイオニー・グレンジャー

フジテレビで『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』3作目にもなると、さすがに、長く感じます。冒険にも、ファンタジーにも乗り切れないまま、残りは録画して、途中棄権。うーん。 なぜか急に、さめてしまった。主役の三人が、大人になったせいか。 それ…

鈴木保奈美ノーリターン

ギャオで『いちげんさん』という映画を見ました。鈴木保奈美が脱いでいたとは、知りませんでした。いや、知ってたけど、忘れてたのかなあ。ウィキペディアで調べたら、石橋貴明の前に、 F1解説者の川井一仁と結婚するが、1997年に離婚。 そうだったのか。け…

常盤貴子も旬が過ぎた

なかにし礼原作の映画『赤い月』 テレビ録画していたやつを、見ました。始まって十分ほどで、家庭教師のエレナが、じつは、ソ連のスパイだとか、商社マンの伊勢谷友介が、じつは、陸軍秘密情報機関の諜報員だとか、じつは、伊勢谷がエレナを処刑するとか、こ…

プロデューサーズは気楽な商売?

スーザン・ストローマン監督のミュージカル映画『プロデューサーズ』をみました。 元売れっ子プロデューサーのマックスが企画するミュージカルはコケてばかり。ある日、会計士のレオは舞台を失敗させることで大儲けする方法を思いつく。 かくして二人はブロ…

となり町戦争

『となり町戦争』の作家、三崎亜記のことを、ずっと女性だと、信じ込んでおりました。 それで、TBS「王様のブランチ」でのインタビューを見て、男性だと知ってびっくり。今年一番の、びっくり!ですよ。だって、小説を読んでも、顔写真を見ても、”役所勤めで…

一色伸幸スッペシャル

少し前のテレビドラマ『彼女が死んじゃった』というのは、視聴率があまりよくなかったようですが、おれは好きで見ていました。ヒロインが突然自殺して、その元カレや妹が、残された携帯電話を頼りに、自殺の理由を探していくというドラマで、脚本が一色伸幸…

春夏秋冬そして春

キム・ギドク監督の映画は、見るのになかなか緊張を強いられ、残酷童話という感じで、動物の虐待シーンがあったりするわけで、それでも『春夏秋冬そして春』は、比較的おだやか、かと。この映画は、春、夏、秋、冬、そして春、という5つの章にわかれています…

マトリックスはもういいです

『マトリックス レボリューションズ』がテレビ放映されるというので、昨年録画してまだ見てなかった『マトリックス リローデッド』を、予習のつもりで見ました。退屈。そんで、”最終章に続く”って、そんな終わり方あるかよ。映画館で、よく暴動が起きなかっ…

モードとしての人種差別

とくに選んだわけじゃないのに、最近見た映画に、人種差別をテーマとするものが、いくつか。『クラッシュ』ポール・ハギス監督 『マンダレイ』ラース・フォン・トリアー監督 『隠された記憶』ミヒャエル・ハネケ監督もちろん、表現方法は、それぞれ違います…