『椿三十郎』のリメイクが話題になっていますが(いろいろな意味で)、そもそもあれは、それほどの名作であろうか。
『用心棒』の続編として作られたそうだが、ただの二番煎じではないか。
黒澤明の『用心棒』を、時代劇らしくない現代風アクション映画と評している人もいるが、もともとダシール・ハメットのハードボイルド小説『血の収穫』を時代劇に翻案したものであるから、そんなことはあたりまえなのだ。
ハメットの『血の収穫』は、『マルタの鷹』の知名度と比べると不幸な作品のような気もするが、
「とある町に立ち寄った主人公が、そこで敵対する2つの組織に近づき、その両方を壊滅させて、去っていく」
というストーリーは、その後の娯楽作品に、多大なる影響を与えている。ようするに、パクられまくっている。
『用心棒』と、『荒野の用心棒』もそうだし、
『暗黒街の対決』(岡本喜八監督)
『日本一のヤクザ男』(古澤憲吾監督)
『野獣の青春』(鈴木清順監督)
『座頭市物語』(三隅研次監督)
これらは、ほとんど同じストーリーである。
だからまあ、いまさら『椿三十郎』もないよなあ、と思うのです。
- 作者: ダシール・ハメット,田中西二郎
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