少し前のテレビドラマ『彼女が死んじゃった』というのは、視聴率があまりよくなかったようですが、おれは好きで見ていました。
ヒロインが突然自殺して、その元カレや妹が、残された携帯電話を頼りに、自殺の理由を探していくというドラマで、脚本が一色伸幸さん。
そのときの流行だとか、世相・事件を取り込んで、ドラマに仕立てるといえば、野沢尚もそうですが、野沢氏の深刻さも好きではあるが、一色伸幸の軽妙さもいい。
『アキハバラ@DEEP』は見てないけれど、あの設定は『七人のおたく』のパクリじゃないか。
そんで、一色伸幸作品を早くDVDにしろってことで、レビューを書きまする。
『木村家の人びと』★★★
当時の「財テク・ブーム」を背景に、お金を貯めることに奔走する家族の喜劇。
しかし、やってることが、仕出し弁当とか、せこくて笑える。俳優の演技がみんなすばらしくて、桃井かおりが、夫役の鹿賀丈史に向って言う、「あなたは、小銭なしでは、生きていけないのよ」というセリフが胸に染みるというか、身につまされるというか。
子役の、岩崎ひろみちゃんのかわいさも抜群。聖書の使い方もいいし、自転車レースもいい。今の株ブームとかだと、殺伐として、こういう味は出ないだろう。
『僕らはみんな生きている』★★★
サラリーマンが、東南アジアに派遣されて、そこで内戦に巻き込まれる。主演の真田広之がいい。ダメサラリーマンが、「技術者魂」を発揮して奮闘する姿は感動。
日本とアジアの関係とか、海外援助の問題とか、シリアスなことも、さりげなく入れているのもいい。惜しむらくは、右翼の軍事クーデターと、左翼ゲリラの革命闘争を、混同していると思われる点。
『山田村ワルツ』★☆☆
嫁不足に悩む山田村が、集団見合いを計画する。しかし集められた女性はブスばかりで……。
村おこしを題材にした、筒井康隆風スラップスティック・コメディ。少女小説家を好演していた小沢なつきは、その後AV嬢となった。
『卒業旅行 ニホンから来ました』★☆☆
考古学マニアの大学生が、卒業旅行でチトワン王国を訪れると、その国は、日本ブームで沸いていた。彼は怪しげなブローカーにつかまり、「一発太郎」という芸名で、デビューし、人気者となっていく。
設定はおもしろいけど、演出がイマイチ。主役の織田裕二と、監督の金子修介が、うまくいってなかったという話もあり、残念。別のスタッフで、リメイクするといいかも。
『私をスキーに連れてって』★★☆
世間では、一番ヒットした映画。バブルの頃の映画だけど、今見ると、ギラギラしたところはなくて、ほのぼのとしたボーイ・ミーツ・ガール映画。
それは、沖田浩之をはじめ、出演者のその後の人生を、知ってしまったせいか。
そういえば、おれ、スキーというものを、やったことがありません。