なかにし礼原作の映画『赤い月』
テレビ録画していたやつを、見ました。
始まって十分ほどで、家庭教師のエレナが、じつは、ソ連のスパイだとか、
商社マンの伊勢谷友介が、じつは、陸軍秘密情報機関の諜報員だとか、
じつは、伊勢谷がエレナを処刑するとか、
こんなネタばらしをして、だいじょうぶかよ、倒叙形式のミステリでもあるまいし。と、心配していたのですが、案の定、それからの展開は退屈。
だって、エレナの正体も、伊勢谷の目的も、ぜんぶバレてんのに、なに小芝居やってんだよ、おめえら。おこるで、しかし。
これはやっぱり、シナリオと、構成のミスでしょうね。
原作通りに、素直に撮っていれば、たとえ、常盤貴子が実写版サザエさんに見えても、たとえ伊勢谷友介がキャシャーンでも、文芸大作として、そこそこの映画になったものを。