ねこぢる草

アニメ『ねこぢる草』を見ました。
2001年、文化庁メディア芸術祭優秀賞。演出:佐藤竜雄湯浅政明

ねこぢるのマンガは、べつに好きではないのだが、このアニメは良かったです。原作を超えたアニメというのは、こういうものを言うんだな。

原作者のねこぢるの表現したかったものを、原作者以上に巧みに表現してます。

マンガで描かれた、いろいろなエピソードをコラージュしてるんだけど、演出家は、おそらく宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』を、意識していると思いますね。そういや、ますむらひろしが、登場人物を全部ネコにして、描いてましたね。

吉本隆明が『銀河鉄道の夜』を、臨死体験の話だと指摘していて、ようするに銀河鉄道というのは、死にゆく者が見た幻想です。
ねこぢる草』も、にゃーこ、にゃっ太、の姉弟は、臨死状態にあって、幻想を見ているわけですね。
言葉で説明したらそれだけのことですが、こういうのを作品にするのって、すごいですよ。

ねこぢるは、ずっと夢日記をつけていたそうだ。

ねこぢる草 [DVD]

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