スター・ウォーズで例えると

 そういや、「スター・ウォーズ」って見たことないような気がするな。テレビでやってたのをビデオに撮ったことはあるんだけど、それも見ないまま押入れだな。ファンがリア充っぽいのがいやなんだろうな。こんなやつらと価値観を共有したくないという。

「価値観を共有」といえば強すぎるけど、けっこう影響はされていると思う。それは「はてな」の近藤(淳也社長)たちも一緒で、僕は取締役になるための通過儀礼として、『スター・ウォーズ』のDVDを全部見てくれって言われたんですから(笑)。僕はSF少年じゃなかったから全然見てなかったんだけど、我々の議論の中には、必ずアナロジーが出てくるから、一緒に経営をやってく上でこれを全部見てくれないと共通理解ができないからと、全部見るように言われたんです。新しい世界へようこそ、って感じで、嬉しかったですけれどね。
(中略)
 この間も「はてな」の取締役会で、「梅田さんは最近ブログの更新がない」ってつるし上げに遭ったんです。「本が売れたからじゃないか」と詰問されて、それで僕は、「正直言ってブログを更新する何かいいアイデアが出た時に、更新しようかなって一瞬思うけど、次の本まで取っとこうかなって思ったりするんだよ、だってブログだけで届くものより、リアルの世界ってやっぱりすごいよ」って、あまり深く考えずに口にした瞬間に、「ダークサイドに堕ちてますよ!!」と一斉に言われちゃったんです。
(『ウェブ人間論』 (新潮新書) 梅田 望夫/平野 啓一郎 145-147ページ)