君が僕を知らない

 菊地成孔の『レクイエムの名手 菊地成孔追悼文集』(亜紀書房)から、清志郎への追悼文。

 ただしい記憶ではないので、ファンの方々には失礼に当るかもしれませんが、もしよろしかったら、正しい情報は、どうかワタシに教えないで下さい。ワタシは、曲のタイトルも憶えていませんし、メロディの動き方も憶えていません、正しい歌詞も憶えていません。しかし、以下の様な言葉をはっきりと憶えています。シンプルなコード進行に乗って、故人は、一行ずつ絞り出す様に、しかし軽やかに、こう歌い出しました。


 オレがどんなにわるいことをしても
 オレは知ってる
 ベイビー、おまえだけは オレの味方

 オレがどれだけウソばかりついても
 ベイビー、おまえだけは オレを解ってくれる
 オレは知ってる


 ワタシは、自分が、日本の音楽を聴いて、これほど泣くのだと言う事に、当惑する程でした。涙が流れたとか、嗚咽が止まらなかったとか言う問題ではない、ワタシは全身全霊が泣き果てて、泣いて泣いて、この曲が終わる前に、幸福で死んでしまうのではないかと思いました。

「君が僕を知ってる」の歌詞、テキトーすぎてワロタ。こんだけテキトーならカスラックも金取れないだろ。著作権法の同一性保持権には触れるかも知れないが。