七年ごろし

 Eテレ『7年ごとの記録「28歳になりました」』を見る。これは7歳の子どもを7年ごとに追い続ける長期ドキュメンタリーである。しかし長期取材といっても、7年ごとに取材対象者を訪ねてちょっとカメラを回して近況を聞くだけだから、手間も金もさほどかかってないだろう。まあ、市井の人にもドラマありということで、おもしろいっちゃおもしろいんだが、倫理上の問題がありはしないか。
 テレビには人の人生を変えるだけの影響力がある。7歳の子供にカメラを向けて、そこからさらに一生を追跡取材してテレビにさらすというのは、いかがなものか。暴力という自覚のないまま振るわれる暴力もあるのである。