エジソンの名言について

「天才とは1%のひらめきと99%の努力である」というエジソンの名言には諸説あるようで、ざっと調べてみたが出典も定かでない。中山正和『創造思考の技術』(講談社新書)には、次のような記述がある。

説得がまずかったために、すぐれた案がついに陽の目を見なかったという例は枚挙にいとまがない。
エジソンは発明王といわれたくらいたくさんの業績を残し、その発明を、世の中の人はいまかいまかとまちかまえていたようにいわれている。しかし、そのエジソンでさえ、
「実は、自分の発明を世の中に受け入れてもらおうとすると、そこにいつも重大な障害が待ち構えていた。発明を完成するまでに払われた努力は、その成果が価値あるものであることを第三者に納得させる努力にくらべたら、ほんのわずかのものである。一つのことを完成するためには、一パーセントのインスピレーションと、九九パーセントのパースピレーション(汗かき)が必要だった」といっている。
(P192)

 これが事実だとすれば、「天才」に関する発言ではないじゃん。
 まあ、天才発明家であっても、世の中に認められなければただの人なので、特許を取得して商品化して、お金を稼いで名声を得るような努力をしないとダメなんだよなあ、という苦労について語ったのだ。とはいえ、これも出典が明記されてないので、諸説のひとつであるが。