ビートたけし、浅田彰、渡辺直己、四方田犬彦、リービ英雄、松岡正剛、中森明夫・・・
これらの人は、生前の中上健次と交友があり、かつ、中上氏から、「小説を書けよ」と言われた人たちであります。
他にも、生前の中上健次を知る人に、氏の思い出を語ってもらっていると、「小説を書けよ」と言われた、という人が、けっこういる事に気付きました。
中森明夫によると、中上氏にタクシーの中で手を握られて、耳元で、「文学界新人賞が欲しいか?」とささやかれた、なんて書いておりました。(『噂の真相』のコラムより)
その言葉を真に受けて、リービ英雄のように、立派な小説家になった人もいれば、ビートたけしや中森明夫のように、駄作を書いただけの人もいます。
中上健次の、酒にまつわる伝説は、いろいろありまして、新人の頃、編集者の頭をビール瓶で殴り、大怪我を負わせたとか。
しかし、かの編集者は、中上健次の将来を思い、穏便に済ませた、とのこと。
そんなところから推察するのですが、中上健次氏は、酔っ払うと誰にでも、「小説を書けよ」と、言っていたのではあるまいか。