われわれは猫である

 加藤徹『漢文法ひとり学び』(白水社)にこう書いてある。

 夏目漱石の小説『吾輩は猫である』の「わがはい」は、男性専用の一人称単数(わたし)である。
 しかし、漢文の漢語「吾輩」は「ゴハイ」と読み、(男女に関係なく)「われわれ」という意味で、日本語とは違う。漢文では「吾輩」も「われわれ」の意。(38頁)

 にゃんと。漢籍にも詳しかった漱石は当然これを知ったうえで「吾輩」を使ったのだから、あの小説には「われわれは猫である」の意味もあるのではあるまいか。

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