昭和の母もの

 ポン・ジュノ監督の映画『母なる証明
 ミステリー映画として見ると難点があるし、宣伝文句にあるヒッチコックとはぜんぜん違う。
 この監督の『ほえる犬は噛まない』という映画は、吐きそうになるほどひどい映画だったが、『殺人の追憶』とか、これとかは、まあ許せる。
 それにしても韓国の警察というのは、テキトーすぎる。殺人現場に名前入りのゴルフボールが落ちていたからという理由で、逮捕する。かと思ったら、被害者の交際相手が自白したから、とこれも逮捕する。殺人放火事件の現場には、その犯人が証拠の品を置き忘れているのだが、警察はそれさえ見つけない。あちらの警察は現場検証もやらないのか。知的障害の青年が、都合のいいところだけ思い出すのも、なんともはや。昭和のミステリー映画というか、昭和の二時間ドラマである。