ちょいワルおやじの、おやじ臭

パンツェッタ・ジローラモという、これまで、どこで何をしていたかわからないような濃いキャラの、在日イタリア人タレントが、毎号表紙を飾る雑誌『LEON(レオン)』

なんでも、

30〜50代、年収1000万以上の高額所得者層をターゲットにファッション、クルマ、機械式時計を3本柱として独自の切り口で展開


という雑誌なのだとか。

電話帳ほどの厚みで、目がチカチカするほどグラフィックな紙面。
しょせんはカタログ雑誌に、定価780円は、安いのか高いのか。
まあ、売れようが売れまいが、この手のファッション雑誌は、スポンサーからの広告収入で濡れ手に粟。

昭和10年設立の老舗の出版社「主婦と生活社」も、なかなか、うまい商売をやるものです。

目次を見ると、

モテる「ちょいムチ」バディの作り方
つまり正解は「ムチピタ」
ポチャ腹オヤジは「ムチピタWジップ」がだ〜い好き!
たるみ腹に渇!な「SEXY薄ピタヌーディ」
一発ボン!キュッな「ちょいムキ細ショール」
夏こそ、あえての”ちょい不良(ワル)香水”(でもヒザ裏付け)
やっぱりニキータは”一軒家”がお好き
お洒落イタオヤも のど手な世界限定ゼンマイ時計
夜の体育教師はつっ込み上手なピッピッピ

ああ〜、頭が痛い。
この編集部に、まともに日本語が書けるライターはいないのか、と嘆くよりも、高学歴、かならずしも、高額所得者とならず、という現状を冷静に観察したほうが、よさそうです。

この雑誌の読者程度のアタマのレベルでも、努力すれば高額所得者になれる、という社会は、「ちょ〜うぜえ、まじかよ〜」としか言えない、ヒップホップな青少年にも希望を与えるでしょう。

それにしても、「本気」と書いてマジと読む、ではありませんが、「不良」と書いてワルと読ませるセンスには、バンダナを巻いて声優イベントに行くおれでさえ、思わず赤面してしまいます。

読んでいて気づいたのですが、この雑誌では、女性のことを「ニキータ」と呼ぶようです。

艶女」と書いて、「アデージョ」です。

お友達のことを「アミーゴ」と呼ぶ長嶋茂雄さんも、びっくり、な言語センスです。

「イタオヤ」というのは、イタいオヤジ、のことでしょうか?

オヤジになると、オヤジ臭(加齢臭)が発生しますが、「ちょいワルおやじ」の体臭は、きつそうです。

ニキータも、内心では、「おじさん、くさい」と思っているはずです。