山内マリコが田嶋陽子の再評価について書いている。そこで、次の文章が引っ掛かった。
私たちはテレビの中で、中高年男性に対する模範的な態度を吹き込まれ続けている。森繁久彌に「1回どう?」とセクハラされたことを、大物女優が笑顔である種の「名誉」のように語る地獄が今も存在している。
こうした状況を本当に「地獄」だと感じていて、本気で変えたいのであれば、きちんと相手の実名を挙げて批判すべきだ。黒柳徹子と書けずに、「大物女優」などとあいまいにする態度こそが地獄を存続させるのである。
とはいえ、仮に黒柳徹子に、あなたが受けた行為はセクハラなのだから冗談で済ませてはいけない、と諭したところで黒柳徹子が自分の考えを改めることはなかろう。
被害者意識のない者に対して、はたして犯罪は成立するのか、というのは考える必要のある問題である。
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竹中労---没後20年・反骨のルポライター (KAWADE道の手帖)
- 作者:
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2011/07/20
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