2012-01-01から1年間の記事一覧

キャラクター映画

三木聡監督の『ダメジン』を見る。この監督の映画は何本か見て、だいたいもう作風がわかった。 いわゆるキャラクター映画である。いわゆる、と書いたがこの名付け親は俺なので、今は誰も「キャラクター映画」という言葉を知らないだろう。じつは俺もさっき思…

家政婦がなんかやる

マイク・リー監督の『ヴェラ・ドレイク』を見る。「家政婦は見た」のような話かと思っていたら、どんどん重い展開になっていって、『ダンサー・イン・ザ・ダーク』にも似た鬱映画となる。 シナリオなし、俳優に即興で演技をさせる、というのがこの監督の特徴…

人はなぜケツを出すのか

大学のラグビー部員が、寺院でアルバイト中に下半身を露出して接客していたということで、その画像がネット上に流出して騒ぎになっている。その画像を見たが、下半身を露出というと猥褻であるが、あれはどちらかというとケツを出しているという写真であった…

どこに批評の根拠をおくか

「文芸春秋」で田中慎弥と西村賢太の対談を読む。以前からお二人のファンであったのだが、ここまで評価を受けるともう興味を失ってしまう。ファン心理というのは残酷なものだ。 芥川賞では、西村賢太と朝吹真理子、田中慎弥と円城塔、というまったくタイプの…

スポーツ選手は子供が産めない

読売新聞に「栄光の陰に月経不順」という怖い記事が載っている。女性アスリートが抱える月経不順という問題である。 体操でロンドン五輪代表を目指すある女性選手に、初潮が訪れたのは二十歳。「そこからまたずっとなくて、しばらくしたらまたあって」。ジュ…

さらばE

榎本喜八さん死去のニュース。 沢木耕太郎が『敗れざる者たち』で取材した人だ。作中ではEと仮名で書かれていて、これは精神を病んだ元プロ野球選手という感じのルポだったので配慮しているのかと思ったら、ラストで榎本という名前を明かす。なかなか外蓮味…

一人一殺のひと

DVDで出た『日本暗殺秘録』を見る。話の中心は血盟団事件の小沼正で、千葉真一が演じている。 小沼正という人は、井上準之助を暗殺し、無期懲役となるが、昭和15年に恩赦で仮出所。この映画の撮影時には、たしか60歳くらいで、監督の中島貞夫と脚本の笠原和…

元野球ファン

巨人の契約金問題というのは、内部告発であろう。誰がネタを流したのか、と警察に相談してまで犯人探しを進めている読売の対応というのは、新聞社としていかがなものか。やましいことがないのなら、これまでの契約金をすべて公開すればいいのだ。 ニュースソ…

やっと地デジか

安いチューナーを買ってまたテレビを見始めたんだけど、久しぶりに見ると、この人、老けたなあ、ってタレントばかり。それから、この人、もう死んでたんじゃなかったっけ、と思うことも。 レッサーパンダがかわいすぎて死にたい。

おまいら

2チャンネルでよく使われている「おまいら」というのは、もしかすると関西地方の方言ではないか。 今日はなぜか「ろくろを回す」という検索でやってくる人が多いのだが、おまいらの探している記事は、ここにはないぞ。ハム速に行け。 WEB業界ろくろ回しすぎ…

女優の一生

NHKの「課外授業 ようこそ先輩」に黒木瞳が出てて、母校の小学生たちにタップダンスを教えるというのをやってたんだけど、この小学校というのがすごい田舎にあった。福岡県の八女市立黒木小学校というので、芸名もこの町から取ったのだとか。ほとんど演歌の…

代わりにあやまる

自由報道協会賞の授賞式で、日隅一雄がチベットの高僧の焼身自殺を揶揄するようなスピーチして、猛抗議を受けた。そのときに江川紹子がツイッターで、「先日まで自由報道協会にいた日本人として、心からお詫びします。本人も、誤解をされる発言をしたことを…

眼帯の人

去年、とある場所で、スキンヘッドに海賊みたいな黒い眼帯をつけた人を見かけて、この人、コスプレでもやってんのかなあ、と思ってたんだけど、ようつべを見てたらその人の映像があって、伊藤キムというダンサーだったのを知った。

思い出のしば漬け

山口美江が死んだけど、「しば漬け」CMを代表作みたいに報じるのはいかがなものか。かといって他に何があると問われても、知らぬが。高田純次が山口美江のリップクリームを痔の薬として使っていたという話があるが、潔癖症の女性に芸能界はつらかっただろう…

大都会は阿修羅のごとく

向田邦子の『阿修羅のごとく』(1979年)の冒頭は、心理描写の手本としてよく言及される。滝子が姉と電話で会話をしながら、曇ったガラス窓に「父」と書く。セリフで説明するのではなく、アクションで見せる。みごとな描写である。 ●図書館(朝) 冬の朝。 …

オリベオイル

朝の番組で速水もこみちが料理を作ってるけど、イケメンで料理もうまいというのはずいぶん嫌味じゃねえかと思っていたわけだが、ネットの評判を知って、おまえらさすがだ、と思った。 http://japan.cnet.com/news/offtopic/35014500/ もこみちが料理コーナー…

後生畏るべし

『十五歳』という詩集を読んだ。著者は1970年代始めに中学・高校生の青春を送った。そんな激動の時代に生きた一人の若者の、魂の叫びともいうべき詩集である。 『若者の詩』 若者は口ずさむ平和の歌を…… デモ 全学連 捕まっても平気だ おれたちには明日があ…

男の責任

あやしい宗教に洗脳されている久本雅美のことを、オセロの中島知子が心配しているという。あ、逆か。 どうして占い師なんかに、と言うが、朝っぱらから「今日の占い」などとテレビがやってるんだから、洗脳されるやつも出てこよう。なんにせよ『王様のブラン…

芸術家だもの

NHKの「BSコンシェルジュ」という番組に、宮本信子が出演、伊丹十三について語る。司会は青木さやか。これがひどい。 青木「私、伊丹監督の映画、大好きなんですよ」 宮本「でもあなた、まだ子供だったでしょ?」 青木「小学生の時に、『お葬式』をテレビ…

コミックソングなんかいらない

忌野清志郎の反原発ソングには感心しない。 エルヴィスの『ラブ・ミー・テンダー』の歌詞を変えて、反原発ソングとすることに何の必然があるのか。パロディのつもりか。訴えたいことがあるなら、オリジナル曲でやるべきだ。原発とは何の関係もないラブソング…

原発よ今夜もありがとう

槇原敬之の『Appreciation』を聴く。去年の夏にこうした原発賛歌を発表していたとは、なかなか骨のある男、いやオカマである。覚醒剤をやれるんだから放射能など怖くもあるまい。さて、『世界に一つだけの花』が好きな左翼は、今後どうするのか。 ついでに書…

反復かつ連続

柴幸男の『反復かつ連続』をyoutubeで。 www.youtube.com アイデアは面白いと思う。しかし、柴氏は律儀にも自分のブログでこれの元ネタを明かしている。cassette-conte.air-nifty.comミシェル・ゴンドリー監督によるカイリー・ミノーグ「Come into my World…

差分はスゴ本

佐藤雅彦『差分』を読む。これはなんとも、奇妙な本である。ページには二枚の簡単なイラストが並んでいるだけなのだが、その静止画のイラストが、動いて見えるのである。アニメーションが見せる動きとも、ちがう。脳の中にまったく別の映像が浮かんでくる感…

ジャズもロックもクラシックである

森本恭生『西洋音楽論』を読む。音楽についての通説を根底から覆す本である。 フランス革命以前のヨーロッパ音楽は、ほんの一握りの貴族階級のためのものだった。そこでは、演奏方法などについて、楽譜には書かれない夥しい数の暗黙の了解事項(しきたり)が…

通販左翼

カタログハウス発行の「通販生活」のチラシが新聞に入つてゐた。どうせ左翼の機関紙だらうと思つてながめてゐたら面白い記事があつた。定期購読者には「濱野」の財布をプレゼントとある。その商品説明で、「皇室のご用命も受けた老舖ブランド」とある。 左翼…

アキラは今

そういえば、『AKIRA』以降の大友克洋って何をしていたのだろうか。まあ、『AKIRA』を描いただけでもじゅうぶんな功績はあるのだが、なんとも惜しまれる才能である。 手塚治虫が『ユリイカ』の「総特集・大友克洋」で、「あなたの真価が問われるのは、『AKIR…

久世塾(笑)

図書館で『久世塾』なる本を見つける。久世光彦が2000年にやっていたシナリオライター養成講座の講義録である。とはいえ久世の講義らしきものはなく、ゲスト講師の談話をまとめたものである。どれも雑誌のインタビュー記事程度の内容である。 授業料は約24万…

おまえは断捨離教の教祖か

近頃ネットを閲覧するたびに「断捨離」の広告を見るのだが、ありゃなんだ。おかしな宗教か。多額の広告費を使って、この主宰者はいったい何をやろうとしているのか。 いらないものを絶ち、いらないものを捨て、物への執着から離れる、というならその通り生き…

黒鳥を見たような気がする

評判の『ブラック・スワン』を見た。なかなかの出来である。バレリーナたちがじつに愛らしい。「白鳥の湖」の主役をめぐって、黒鳥は嫌がらせをして白鳥を苦しめるのだが、それにも可愛げがある。あの年ごろの女子は、何をしてもかわいいものだ。心が洗われ…

作務衣でろくろを回すバカ

おれはグルメに興味がないので、これまでにラーメン屋に行ったことが十回くらいしかない、と知人に話したらおどろかれたことがある。逆におれからすれば、なんでみんなそんなにラーメンなんかが好きなの? と思うわけだが。 速水健朗『ラーメンと愛国』を読…