アキラは今

 そういえば、『AKIRA』以降の大友克洋って何をしていたのだろうか。まあ、『AKIRA』を描いただけでもじゅうぶんな功績はあるのだが、なんとも惜しまれる才能である。
 手塚治虫が『ユリイカ』の「総特集・大友克洋」で、「あなたの真価が問われるのは、『AKIRA』以降です」ということを書いていたのを思い出すのだが、これは手塚の負け惜しみもあるだろうが、いま思うと温情ある言葉であった。しかし大友はマンガなどたいして好きでもなかったのだろう。才能のあるものは往々にしてそういうもので、サッカーをやめた中田ヒデなどもそうだ。