『選挙』というドキュメンタリー映画を見る。DVDのジャケット写真から、キワモノのバラエティかと思って敬遠していたのだが、見るとおもしろかった。
「世間的には、東大を出てるっていうのがいいんだってさ」という理由で、自民党の公認候補になった「切手・コイン商」の男性。その選挙運動を、カメラは追う。
政策の話などなにも出ない。先輩議員が教えるのは、選挙運動での、おじぎの仕方や、握手の仕方。候補者は、疑問を抱きつつも、それに従う。それで当選してしまう恐ろしさ。
ド田舎の村長選ならまだしも、川崎市議会選挙だぜ。選挙とは、しょせん人気投票である。それを知り抜いているのが小沢一郎だろう。AKB48の総選挙を笑えない。
登場人物のすべてが、醜い。われわれはこういう社会に生きている。
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想田和弘監督の『なぜ僕はドキュメンタリーを撮るのか』によれば、この「切手コイン商」の立候補者は、東大に五浪して入り、授業に一切出ないで三回留年。妻とはネットで知り合い、北朝鮮に新婚旅行に出かけた、という経歴とのこと。
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