インド人とカースト

インド人女優シルパ・シャティさんが、英国の人気テレビ番組「ビッグ・ブラザー」で、他の出演者から、人種差別的ないじめを受けたという問題。

インド人が、これに反発して、デモをやっている場面を、ニュースで見たのですが。どうも違和感がありました。
差別に対して、そんなに反発するなら、自国のカースト制度を何とかしたらどうか。

そんで、読売新聞に、その後の記事が出ておりました。

やはり、インド国内でも、「同胞が差別された」という怒りとは別に、インド人自身の「内なる差別と偏見」を自省する空気が出ている。とのこと。

印有力紙インディアン・エクスプレスのファラ・バリア記者はコラムで今回の問題に言及し、「世界的には、人種差別の動機は肌の色や国籍への偏見に絞り込まれるが、インドでは、カーストや宗教、民族などあらゆることが偏見の対象になる」と指摘した。

インドの上位カースト家庭では、必ず下位カーストの使用人を雇い、カーストで定められた職分に応じて炊事や洗濯、床掃除などに従事させる。使用人への虐待は日常茶飯事で、他国で使用人に同様の振る舞いに及んだら、人権侵害で収監されるのは確実だ。
(国際部 黒瀬悦成)

こういう現状を知らされると、バラエティ番組での人種差別的ないじめ、なんてものより、よほど深刻なものであり、早急に何とかしてもらいたいと思うのだが。