運命の人と思った人が運命の人

 映画『(500)日のサマー』は、まあまあおもしろかった。
 何の深みもない、頭が空っぽの男女が出会って別れるまでの話だが、その何もないところがよかった。作り手がどこまで意識しているのかは知らないが、この映画では知りたいことが何も描かれてないのだ。トムがサマーを好きになった理由はわからないし、なぜ嫌いになったのかもわからない。同じく、サマーがなぜトムをふって別の男と結婚したのかもわからない。
 その時々の感情のままに、好きだ、きらいだ、と大騒ぎしているだけだ。しかしながら、見終わると、ああ、恋愛というのはこういうものかも知れないな、と思わされてしまった。好きになるのに理由なんかないし、たいした理由がなくても嫌いになったりする。お手上げである。
 近江俊郎は言っている。「ボクら若い頃は“穴掘り器”みたいなものヨ」と。


(以下の写真は吉田豪氏のtwitterより引用)
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