幻冬舎の社長、見城徹氏がテレビ出演されているのを見た。
編集者としていくつものベストセラーを手がけた人らしい。
番組を見ていて、ふと思ったのだが、見城氏が、一からその才能を見出し、育てたあげた作家というのは、どれほどいるのだろうか。
五木寛之、石原慎太郎らは、すでに大家であったし、中上健次、村上龍、山田詠美らは他社で華々しくデビューし、才能も折り紙付きであった。
そういう作家と、親密に付き合えるというのは、編集者としての才覚といえば、そうなのだろうが、見城氏が手がけた作品というものは天童荒太『永遠の仔』を除いては、さほど良い作品はない。
その天童荒太も、推理作家として地歩を固めたのは新潮社においてであった。
それで、見城氏というと『月刊カドカワ』で、尾崎豊や大槻ケンヂや、斉藤由貴に小説や詩を書かせていたが、彼らもやはりすでに売れている人であった。
不破純という作家のことを思い出す。
彼は、角川書店に小説を持ち込み、当時編集者だった見城氏に見出されてデビューした。
『月刊カドカワ』での派手な売り出し、「歌わない尾崎豊」というキャッチフレーズも、見城氏の仕掛けではなかったか。
しかしその後、消えた。
不破純は高校中退だった。1970年生まれというから、現在38歳。
ネットで消息を調べても、「カジノバーで店員をしていた」という目撃談があるだけ。
- 作者: 不破純
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 1992/10
- メディア: 文庫
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