2018-05-01から1ヶ月間の記事一覧

共感しすぎてはいけない

ポール・ブルーム/高橋洋:訳『反共感論』を読む。「相手の身になって考えましょう」などとよく言われるが、そうした共感がかえって愚かな判断を導き、無関心や残虐な行為を動機付けることになる。 共感はスポットライトのような性質を持つ。スポットライト…

世界のために君たちはどう生きるか

ピーター・シンガー著・関美和訳『あなたが世界のためにできるたったひとつのこと』を読む。 子供が浅い池でおぼれているのを発見し、あなたが池に入って引き上げれば簡単に子供を助けることができる状況において、子供を見殺しにするのは悪である。まして自…

大瀧詠一「分母分子論」のでたらめ

大瀧詠一に「分母分子論」というのがある。 明治以来の日本の音楽はすべて洋楽(世界史)からの輸入だから、分母は「世界史」であり、そこに分子として「日本史」が乗っかっているのが基本構造だという。 これが戦後になると、ポピュラー音楽からの影響が顕…

戦争なんかよりサッカーしようぜ!

シリアはもう、めちゃくちゃである。アサド政権と反政府軍とイスラム国が三つ巴の内戦。これにロシアとアメリカが介入している。宗教、石油、イデオロギー、そんなもののために殺しあう必要があるのか。ようするにシリアを誰が統治するかである。誰でもいい…

幸せホームレスの不幸

NHKノーナレ「幸せホームレスとの10日間」を見たが、くだらなかった。 小谷真理という元芸人の自称ホームレスが他人のほどこしで暮らしているというのだが、太鼓持ちのような芸もなければ人間的な魅力もない。 もっと困っている人は世の中におおぜいいる。ホ…

無知は無知である

ウーマンラッシュアワーの村本大輔が『朝まで生テレビ』に出演したところ、「無知な人間の政治的意見」だとして非難を浴びた。ところがこれを宮台真司は、次のように擁護している。 プラトンの書いた『ソクラテスの弁明』に出て来る、“無知の知“という有名な…