カズオ・イシグロの小説『浮世の画家』をNHKがドラマにしたのを観た。戦争画を描いた画家の戦争責任を問うもので、まあまあ面白かったけど、そんなことより劇中の絵画がすばらしい。
『日曜美術館 “浮世の画家”を描く』で、その制作過程を放送していたが、メインの戦争画を描いた近藤智美の画力に圧倒された。藤田嗣治『アッツ島玉砕』のタッチを再現できるのだからたいしたものだ。
これほどの画力を独学で身につけたのもすごいが、18歳で上京、渋谷でマンバギャルになり、キャバ嬢になり、そこで知り合ったあやしい社長に軟禁されて、絵を描くことを強要され、そこを逃げ出して画家になったとか、経歴がぶっ飛んでいる。「なんだ、ただの天才か」である。
こういう本物がいるのに、わざわざ銭湯絵師見習いだとかの偽者をでっち上げる広告屋の気が知れない。
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