ゆとり教育とポルノ

 歌舞伎町の出会い系バーに通っていた前川喜平・前事務次官のことを、文部省で同僚だった寺脇研が「優しい人」「信念の人」だと擁護しているのはじつに香ばしい。
 寺脇研といえば元文部省官僚で、ゆとり教育の推進者として知られている。天下りしたのかは知らないが、大学教授もやっている。
 さらにもうひとつの顔として、映画評論家をやっている。それも日本映画しか観ないというこだわりぶりである。その日本映画も、ほとんどがポルノである。これも「信念」であろう。
 寺脇研は『ロマンポルノの時代』(光文社新書)で、次のように書いている。

 わたしは30代になり、2度目の結婚をした頃だった。この映画(注『スチュワーデス・スキャンダル・獣のように抱きしめて』)は84年3月16日公開だが、その2週間後の4月1日付で文部省(当時)から出向して福岡県教育委員会の義務教育担当課長に就任している。それなりに仕事の責任も重くなり、この映画のヒロインのように後輩や部下職員を指導する立場になってきていた。
 ことに福岡へ赴任してからは、役人としての仕事の内容も責任の重いものになり、そちらへ取られる労力も相当なものがあった。それでもわたしは、映画から離れることはできなかったし、ロマンポルノを観る生活も変えなかった。
 福岡はおおらかな土地柄である。県の教育委員会の課長が繁華街の映画館でロマンポルノやピンク映画を観ても、その批評を本名で映画雑誌に書いても、問題になることはなかった。
 わたしは、引き続きロマンポルノと併走していた。(P235)

 この本には、寺脇研が書いたポルノ映画批評が掲載されているのだが、これがまったくつまらない。官僚の書いた作文である。