それでも僕は浄水器を売る

 水野敬也の『それでも僕は夢を見る』という本を読んだので、感想を書いてみたいと思います。
 主人公の「僕」は、「ユメ」に出会って、浄水器とか空気清浄機を売るようになります。しかし思うようには売れず、友達はなくすし、借金は増えるし、きびしい現実に負けた僕は、ユメを手放してしまいます。そのまま年老いて、もう死ぬまぎわ、僕の前に、かつて捨てたユメが戻ってきます。
 そこで僕は思い出すのです。夢はかなわなかった。でも、お金持ちになろうと思って浄水器とか空気清浄機を売っていたころの自分は、あんなに輝いていた。夢というのは追いかけることに意味があるんだ。やっぱりいいもんだな、マルチ商法って。
 そんなお話のような気がしましたが、なにせ立ち読みだったので、ちがっているかもしれません。