2008-01-01から1年間の記事一覧

氷点とロボコップ

三浦綾子の小説を映画化した『氷点』(山本薩夫監督)を見たら、意外とおもしろかった。誘拐犯に娘を殺された夫婦が、キリスト教の「なんじの隣人を愛すべし」という教えを実践しようと、その誘拐犯の娘を養女に迎え、育てる。信仰に篤い人間のほうが、時と…

たかが野球、されど戦争

NHK『80歳・決着に挑む・元兵士たちの日米野球』 かつて太平洋戦争を戦った日本・アメリカの元兵士達が、ハワイ真珠湾近くの球場で再会し、野球の試合を行った。 平均年齢80歳。 人生の終盤戦を迎え「自分は誰と戦ったのか」 「かつての敵と顔を合わせたい…

バタイユ太郎

岡本太郎というと、両手を広げ、目玉をひんむいて、 「むん! むん!」 とか唸っている変な人というイメージですが。じつはたいへんなインテリでございまして。青春時代を1930年代のパリで過ごす。 参考:岡本太郎年表 1930年、19歳でパリにやってくるや、リ…

ソムリエ(笑)

永井均『マンガは哲学する』(講談社)やさしい文章で書かれているが、内容は濃い。 『のための哲学』を読んでない人には、わかりづらい記述もあるだろう。書評されているマンガは、どれも興味深いが、小林よしのり『戦争論』のような作品には、「哲学的態度…

偽善者だもの

永井均『倫理とはなにか』(哲学教科書シリーズ・産業図書)倫理学の教科書という体裁なんだけど、そこは永井均。 反倫理の思考を徹底しておこない、教条的な倫理学の教えを粉砕する。わかりやすく言えば、「自分さえよければいい」という反倫理的な考えでど…

スター誕生

「週刊現代」2008.2/4号 麻生久美子【29歳】「ザリガニがご馳走だった少女時代」 映画賞総なめNo.1実力派女優が 「石を投げられ、車が走る道路に投げ出され……」。 実母がはじめて明かす壮絶過去 これは泣けてくる記事だった。 父がギャンブル狂い、かつDV…

「母べえ」はつらいよ

『母べえ』という映画が、大変に評判がよろしいようでございますので、これは女房を質に入れても見にいかねば、と思っております。 なにしろ主演女優が「永遠のマドンナ」こと、吉永小百合(62)でありますし、それが志田未来(14)、佐藤未来(10)のおばあ…

虫歯、または自死

歯が、猛烈に痛み出して、七転八倒の苦しみ。バレンタインデーの呪いか。チョコレート怖い。おれの羊水も腐ったのか。しょせん男は、生理痛も出産の痛みもわかりませんが、これで、おれの中からなにかが産まれてきたら、「あたしが歯を痛めて産んだ子だから…

おいしいとこだけ

ゴダール式映画鑑賞法映画を、20分見たら次の映画館に移動。そこで20分みたら、また次の映画館に移動。ゴダールはこのように、ちょっとづつ細切れに映画を見ていたという。 (永江朗『不良のための読書術』による) ◇ ある日のおれのテレビ鑑賞法テレ朝…

スシ食わねえ

手放しで三つ星の店を礼賛したNHKを嗤う声(ゲンダイネット)という記事から。 「世界が評価というけど、寿司を食べに来ていた三つ星シェフのロブションが認めているだけではないのか」(友里征耶氏のコメント) あと、山本益博ね。 今見たら、ウィキペディ…

昭和エログロ

ギャオで、増村保造の『赤い天使』増村監督の映画は好きではないのだが、タダで配信されているので、これまでに『卍(まんじ)』、『でんきくらげ』、『遊び』をとりあえず見た。(すごいタイトルだ) その中では、『赤い天使』がいちばん興味深かった。昭和…

北極の氷がとけても

読売新聞の記事から。 「北極資源開発競争 前夜」 ノルウェー北部スパールバル諸島にあるロシア人居住区バレンツブルグにロシア政府は本年、約40億円の巨額支援をおこなう。その背景には、北極圏の地下資源を巡る資源獲得競争がある。 (北極圏の温暖化のた…

ごくせんガメラまるっと

正月なので怪獣映画『ガメラ3 邪神覚醒』(1999年)キャンプ場。女の子が男友達を誘って、林に入る。 そこに怪獣イリス出現。 二人は襲われて、女の子はイリスに体液を吸われ、一瞬でミイラのような顔になって死ぬ。その役をやってたのは、仲間由紀恵。 出演…