ミシュランざまあ

 有名ホテルやレストランが食材を偽装表示していた問題であるが、車エビがじつはブラックタイガーだったとしても、客がそれを車エビだと思って食って満足していたのなら、それはそれでいいではないかという気もする。
 吉幾三がむかし喫茶店でバイトをしていた時、客から「ウインナーコーヒー」の注文を受けて、だけどそれを知らなかったらウインナーソーセージをいためて、コーヒーにつけて出したら、客は何も言わずにそれを食って代金を払って帰っていったという話がある。ロンブー田村敦は嫁からもらった手作りプレゼントをテレビで自慢していたが、それもじつは楽天で882円で売っている既製品の指人形だったという話もある。
 このように当人たちがそれで満足して、世の中がそれで問題なく回っているなら何が本当の真実かなんてどうでもいいじゃないかって考え方もありえるのだ。民事訴訟における形式的真実主義なんかもこれだと思う。
 ではあるにせよ、店が知っててやったら詐欺ということにもなるんで、だから社長とかは偽装ではないなどと、すっとぼけているわけだが、それにしてもあのミシュランまで、わざわざおフランスから極東の島国までメシを食いに来て、オーストラリア産牛肉の成形肉を食って、和牛ってトレビア〜ンでごザーマス、三つ星あげるでザーマス、などと格付けしていたというんだから、これこそメシウマである。