がんばらないで

 努力が必要というのは、その通りである。しかし、やみくもに努力すればいいというものでもあるまい。能力のない者が出世して、高い地位についたおかげで、災禍をもたらすというのは、ままある。焼肉酒家えびすの食中毒事件などは、そうである。
 あの社長は、ディスコの黒服とかホストで、満足しておればよかったのである。それが、自己啓発本に影響されてアントレプレナーを目指し、がんばって金を貯めて焼肉店を経営したがために、客を死なせてしまったのだ。
 同じことは、菅直人にも言える。草の根の市民運動家でいればいいものを、『すばらしい新世界』に影響されて「最小不幸社会」の実現を目指し、がんばって総理大臣なぞに上りつめるから、国民はたいへんな迷惑をこうむっている。
 かつて菅直人の盟友で、社会市民連合の創設メンバーでもあった人が、現在ホームレスになっているという。人生とは、わからぬものである。王様と乞食である。
 まあこの人も、政治家になろうと努力したのであろうが、失敗したのである。多額の借金をこさえ、妻子には迷惑をかけただろう。がんばってホームレスから抜け出してほしいとは思うが、がんばりすぎて政治家になったりすると、今度は国民に迷惑をかける恐れもあるから、ほどほどに、がんばってほしい。


ホームレスになったかつての同志が激白