二流の人

しりあがり寿『表現したい人のためのマンガ入門』(講談社新書)より。

ももうひとつボクが信じてることがあります。それは、一流の作家になるのは、そりゃー才能や運など、努力以外にもいろんなものが必要です。でも努力すれば誰でも二流の作家にはなれるんじゃないか、ということです。
今はサラリーマンやっても将来が安泰というわけじゃありません。また大モウケしたお金持ちが大金を払って、絵を買ったり芝居を観たりしてるのを見ると、自分で絵を描いたり芝居に出たほうがオモシロイのになー、などと思ってしまいます。
つまり、人に迷惑かけず自分ひとりが独立してやってけるのであれば、二流であっても自分の好きな表現の道にいくのはアリかなー、という気がするのです。二流だからやらないというのではなく、その仕事がスキならやればいいのになー、などと思ったりするのです。
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まあたしかに、おれを含めてほとんどの人は一流になれずに終わるわけだから、好きなことを仕事にする、というのはいいだろう。その手のコンセプトで、村上龍の『13歳のハローワーク』は書かれていたわけだけど、一流作家の村上龍が、「文章が好き」な人たちに、校正者やテープリライターの仕事を紹介するのは、じつに嫌味に思う。
たとえばプロ野球選手を目指していた人が、プロにはなれず、だけど野球が好きだからというのでスポーツ用品店で働く。好きならそうした仕事も楽しいだろうが、それでも心の片隅には、夢やぶれた挫折感があるであろう。
読売ジャイアンツのピッチャーで引退後にうどん店を開いた人がいたが、彼の場合も、たとえうどん店で成功したとしても、どこか報われない思いを感じながら生きていくことになるのではあるまいか。


週刊文春』(10月29日号)
加藤夏希「元カレに3千万円取られた」前代未聞の裁判沙汰

タレントの加藤夏希さんが、元交際相手である担当マネージャーにだまされて、総額約三千万円の預金を取られたという。
24歳で三千万の預金って、すげーな。このペースでいけば、庶民の味方の社民党代表・福島瑞穂先生の定期預金1億1480円をいずれ追い越すかな。15歳で秋田から上京して、がんばって働いてきたんだな。芸能界なんて、どうせ女衒みたいなプロダクションばかりだろと思ってたら、ここの事務所はわりに良心的じゃないかと思ったりする。ちゃんとやればこのクラスのタレントで、そんなに稼げるんだから、安いギャラでAVとか出てる女は考え直した方がいい。