シンクロニシティ

足の小指を、ドアの角にぶつけて、もういたい、いたい。
しばらくその場に、うずくまった。泣きそうだ。
小指の爪が黒くなってるから内出血でもしてるのだろう。
そしたら図書館から電話があって、予約していた本が入ったから取りに来いとのこと。
足の痛みをこらえて自転車で図書館にいった。
予約していたのは、道尾秀介の『カラスの親指』という推理小説だったのだが、受付で本を受け取り、なにげなく開いたら、こんな書き出しだった。

足の小指を硬いものにぶつけると、とんでもなく痛い。その痛みに脳髄がびっくりして、「!」と仕事の手を止めてしまうのか、意識が一瞬遠のきさえする。
しかしじつは、この手の事故の最悪な側面は、痛みそのものでもなければ意識が遠のくことでもない。何といっても自分が非常に間抜けに思えてしまうことなのだ。
講談社・7ページ)

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カラスの親指 by rule of CROW’s thumb

カラスの親指 by rule of CROW’s thumb