もう絶交よ!

 さう云へば久しく、「絶交」と云ふ言葉を耳にしてゐない。
 この美しい言葉はもう消えてしまつたのだらうか。
 さびしくてならない。
 川本真琴の『桜』の歌詞には使はれてゐるから、十余年前まではまだ女子が男子に絶交を宣言すると云ふ、かくも奧ゆかしく甘酸つぱい風習が一部の学校には残つてゐたのであらう。
 男子は、好きな女子から絶交されて、大人になる。