愛だの恋だのというのは、じつのところよくわからない。肉体的に考えるならただの性欲であろうし、観念的に考えたところで精神異常の一種だろう。
とはいえ人を好きになったりするのは、なかなかいいものだ。
いみじくも、竹内まりやが述べているように、
「恋は、そのたびちがう私を見せてくれる、不思議な不思議なピーチパイ」なのであろうか。
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キム・ギドク監督の映画はどこか日本のエロ劇画を思わせる。男の欲望をそのままワン・アイデアで撮っているような映画で、じつにいやな気分にさせる。ありそうで、ない話というか、リアリティは感じられない。女はなぜ警察に助けを求めないのか、とか。他の映画にも、「それはないだろ」と思わせる変なシーンが必ず何ヶ所かある。
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ラース・フォン・トリアー監督の映画も変わったものばかりだ。『イディオッツ』とか『ドッグヴィル』とか。寓話的なんだけど、救いのない結末に向ってどんどん主人公を追い詰めていくような演出。生きているのがいやになる。ハリウッドの陽気な恋愛映画の対極。
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作り物めいたストーリーだけど、この映画も気持ち悪い。青年には愛がある、けれど、他のものを欠いている。愛しかない、純粋な愛は怖い。彼は優秀な看護士だけれども、病人となった彼女を愛しすぎて、悲劇を招く。でもおれには彼の気持ちがちょっとわかる。
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この夫はひどい。まるで俺みたいだ。いや、そんなことない、はずだけど。自分が幸福になるということは、別の誰かを不幸にするということなんだよ。フェミニズム映画という解釈らしいけど、不倫して略奪婚でハッピーという女の側の罪もある。
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まあ、イザベル・アジャーニの美しいこと。しかし美人だから絵になるけど、日本人の追っかけとか腐女子とか、いやまあそれはさておき、もしかしたらこれはスラップスティック・コメディじゃないか。