坂本美雨が両親からの虐待を語る

婦人公論』(2018年7月24日号)で、坂本美雨が両親から受けた虐待について語っている。
(60頁「父・坂本龍一との幼き日の記憶 坂本美雨 虐待の連鎖を断ち切るため、母となった私にできること」)
 そのインタビュー記事より引用。

 今とは違って、かつては親の体罰も普通にあったように思います。私の父親(ミュージシャンの坂本龍一さん)も昔はとても激しい人で、時には怒りに任せて手が出ることもありました。私が悪いことをしたから叱っていたのか、父自身のイライラをぶつけていたのかわからない時もあり、そういう時はただ父の威圧感に怯えていたような気がします。
 その時に感じた怖さは今でも心に残っていて、娘を叱る際に「今の私、あの時のお父さんみたい」とハッとすることも。(中略)
 その後の父ですか? 大人になってから抗議したら「ごめんね、えへへ」と言われました。軽かったです(笑)
 そして、母(ミュージシャンの矢野顕子さん)はクリスチャンだったこともあり、厳しいルールにのっとった子育てをする人でした。
(引用終わり)

 矢野顕子は、エホバの証人の信者である。佐藤典雅は『ドアの向こうのカルト』でそう書いている。とても禁欲的な宗教で、一切の娯楽が禁じられる。結婚も信者同士でしか許されず、子供も信者にさせられる。
 坂本美雨にも二世信者としての苦悩と葛藤があったはずだが、このインタビューではすべてを語っていない感じがする。
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カルト宗教信じてました。

カルト宗教信じてました。

家族はつらいよ

 山田洋次の『家族はつらいよ2』をテレビで見たのだが、ひどいものだった。
 いきなり橋爪功が鼻毛を切っているシーンで始まる。じじいの汚い鼻の穴が画面一面にアップになっていて思わずゲロを吐きそうになった。ああ、こんなのを映画館の大きなスクリーンで見なくてよかった。とにかく橋爪功が品性下劣である。ストーリーは一作目とまったく同じ。本当にまったく同じである。山田洋次のシリーズものというのは小道具からギャグまで何もかも同じものを、平然と2作3作と続けるのである。ずいぶんと客をなめた商売である。
 橋爪功がトイレでしゃがんでいると、必ず息子がドアを開けて、「お父さん、カギぐらいかけてくださいよ」「おまえこそ、ノックぐらいしろよ」というやり取りのきもち悪さ。家族会議を開くだとか、出前は決まって、うな重の上を「肝吸い付き」で、だとか、結構なご身分でございますことよ。
 それで橋爪功は、高校の同級生が警備員になっているのを知り、炎天下で交通整理をやっているその姿を見て、70才を過ぎてもまだ「あんな仕事」をやって、と同情するのである。橋爪功は何度も自動車事故を起こしながらも、居酒屋の女将とのデートやゴルフで車が必要だから死ぬまで運転をやめないと強情を張るのだ。それで橋爪功は、「あんな仕事」の警備員の旧友を憐れんで、居酒屋でご馳走してやるのだが、旧友は心臓が悪くて、それでも無理して酒を飲んで、死ぬ。
 橋爪功が殺したようなものであるが、その責任を感じるどころか、「あんな仕事」をしていた人間でも、「幸せな時はあった」だの、「最後にいい思いをした」だの勝手に言われて、それで山田洋次は、あわれに死んだ人間を、面白おかしく描くのである。火葬場で、棺おけの中に故人が好物だったぎんなんを入れたら、焼いている途中でパンパンはじけて、特別出演の鶴瓶が出てきて「テロかと思った」と言って、参列した橋爪功の家族は、げらげら笑うのだ。
 こんな映画をおもしろがる観客にだけは、なりたくない。

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