おばあちゃんのバブル昔話

 登美丘高校ダンス部のバブリーダンスはおもしろいが、時代考証がちょっと変な感じがする。
 荻野目洋子の『ダンシング・ヒーロー』がリリースされた1985年はバブル景気の前だったし、ジュリアナ東京がオープンした1991年5月にはもうバブルは終わっていた。
 まあ、バブルの雰囲気をダンスで表現したのだろうが、あれを見て、バブルの頃はみんなああだったよねえ、というのは記憶の改ざんである。
 さて、孫に昔話でもするとするか。
 むかしむかし、あるところに、バブルというものがありました。おじいさんはマハラジャへしばかりに、おばあさんはトゥーリアへせんたくに行きました。おばあさんがトゥーリアでせんたくをしていると、ドンブラコ、ドンブラコと、頭の上から大きなバリライトが落ちてきました。すると中から巨人の桑田が逃げ出して……。
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運命の人と思った人が運命の人

 映画『(500)日のサマー』は、まあまあおもしろかった。
 何の深みもない、頭が空っぽの男女が出会って別れるまでの話だが、その何もないところがよかった。作り手がどこまで意識しているのかは知らないが、この映画では知りたいことが何も描かれてないのだ。トムがサマーを好きになった理由はわからないし、なぜ嫌いになったのかもわからない。同じく、サマーがなぜトムをふって別の男と結婚したのかもわからない。
 その時々の感情のままに、好きだ、きらいだ、と大騒ぎしているだけだ。しかしながら、見終わると、ああ、恋愛というのはこういうものかも知れないな、と思わされてしまった。好きになるのに理由なんかないし、たいした理由がなくても嫌いになったりする。お手上げである。
 近江俊郎は言っている。「ボクら若い頃は“穴掘り器”みたいなものヨ」と。


(以下の写真は吉田豪氏のtwitterより引用)
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逆転人生は引き分け人生

NHKの『逆転人生』というのは、なんじゃこりゃ、という番組だった。
 居酒屋チェーン店を経営していた父が死去、その息子が父の残した借金40億円を背負わされることになったという実話である。しかし番組冒頭で、弁護士が登場して、息子は相続放棄すればこんな借金を背負わなくてすんだし、連帯保証人の母親も自己破産すれば借金はチャラになった、と身もふたもないことを言ってしまうのである。
 この息子はそれを知らずに、がむしゃらに働いて16年で40億円を完済するのであるが、この借金はべつに返さなくてもいい借金だったのである。16年で40億円もの利益を出したわけであるから、この息子は経営者としては一流である。しかし借金があったせいで、マイナスがゼロになっただけである。逆転されたけどなんとか引き分けに持ち込んだ人生である。
 ようするに銀行にだまされたのである。バブルの頃に銀行が無茶な貸付をやり、その父親が死んで、これは不良債権になるぞとあせった銀行員が、息子をだまして返済させたのだ。いちばん得したのは銀行である。あこぎな金貸しである。過剰貸付の責任を免れた銀行員は、今頃ほくそ笑んでいよう。この銀行員こそ、逆転人生である。
 人はみな、返さなくてもいい借金を返すために、はたらくのだ。
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