自殺は犬死に

「葬式ごっこ」事件からもう34年か、と思いながらNHK「事件の涙 34年ごしの宿題」を見る。
 事件を取材していた元新聞記者が、あの時の担任の証言を取れなかったことを悔やんで再び取材を始める。しかし、ようやく元担任に面会するものの、「生徒に頼まれてしかたなくやった」などという答えで拍子抜けする。
 当時の担当弁護士は、事件後に各地の学校などで命の大切さを説く講演を続けていたが、それでも自殺をなくすことはできなかった、と落胆する。
 いずれも善良な大人たちで、しかしながらこういう番組はかえって自殺者の背中を押しはしないか。自殺してもこういう大人たちがきっと自分の無念を晴らしてくれる、などと考える子供が出てこよう。
 世の中はそんなに甘くない。死ねば、それっきりである。

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