平和な国の幸福な子供たち

 Eテレ「課外授業 ようこそ先輩」は有名人が母校の小学校を訪問して、生徒たちに授業をする番組である。
 水道橋博士が出演して、小学生に自分史の「年表作り」を指導していた。水道橋博士は、書きためてきた膨大な日記を元に自身の半生を年表にしてみたところ、それまで平凡に生きてきた自分がおもしろく思えてきた。子供たちにも「意外な自分」を発見してほしいと語る。
 その翌週、サヘル・ローズが出演した回の再放送があった。彼女もまた小学生に、自分史を書くことを教えていた。
 イラン生まれのサヘル・ローズは4歳の時、イラク軍の空爆によって両親と、10人いた兄姉全員を失って孤児となる。その後、瓦礫の中から救出してくれた女性が養母となり、知人を頼って二人で日本に移住。日本の学校に通うも貧しさが原因となり、壮絶ないじめを受ける。

 そんな時、サヘルさんのチカラになったのは、「自分の辛い過去」と向き合う事でした。
 泣き出したくなるような厳しい〈マイナス〉な体験の中にこそ、じつは、自分にとってのかけがえのない〈プラス〉があることに気づいたのです。今回の授業のテーマは「〈マイナス〉な出来事から〈プラス〉を見つけ出すこと」。サヘルさんの励ましによって、子どもたちは触れたくない過去の辛い自分と向き合うことになります。
http://www.nhk.or.jp/kagaijugyou/archives/archives433.html