『若者たち』『若者は行く』『若者の旗』の三部作を見たのだが、これはいいドラマだった。
まあ、出てくる人間、みんな対立していて、いがみ合っているのはどうかと思うが、見ごたえがある。
『若者の旗』では、オリエという娘が、戸坂という青年と付き合っている。このまま結婚するものと思っていた。戸坂は被爆者である。しかし、戸坂はオリエを捨てて、同じ境遇にある被爆者の和子を選ぶ。
そのことで、オリエの兄の太郎(田中邦衛)が激昂する。
戸坂(石立鉄男)を家に呼んで、憤懣をぶちまけるのだが、そのセリフがいい。
「かわいそうな者同士なら、何したっていいってのか」というのである。
広島だ、原爆だっつうけどな、戸坂さん。
東京の空襲じゃ、それ以上の人間が死んだり片輪になったりしてんだぜ。
マーケットとドブ川しかない焼け跡でよ、おれは12の時から働きに出たし、オリエは中学にも上がらないうちから、立派におっ母さんの役割果たしてきたんだぞ。どこにいるよ、いまどきこんな娘が。どこに出したって引けを取らない娘だぞ。
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