若い時からおっさん

笹野高史という俳優は、「ワンシーン役者」を自称するだけあって、じつにたくさんの映画やテレビドラマに出ている。とはいえその名前では、あまりピンとこないだろうが、顔を見ればたいてい「ああ、あの人か」とわかると思う。
先日、『異人たちとの夏』という映画をDVDで見たのだが、これにもマンションの管理人という、いかにもの役で出演していた。
映画のほうは人情ものかと思っていたらラストでホラーになったりして、イマイチだった。幽霊だから浅草の街を歩き回れない、ラストは無理して「すき焼き店」にいったら消滅してしまった、というストーリーなのだが、そのくせ最初は寄席で落語を見ていたりして、どうもつじつまが合わない。
それはそれとして笹野高史さんであるが、二十年前の映画にかかわらず、いまとほとんど同じ顔だった。頭はハゲてるし、おっさんだし。そこがみょうにウケた。
そういや『東京物語』などに出ていた笠智衆というジジイがいるが、この人の若い頃の顔というのもピンとこない。
なんか、生まれたときからジジイだったような気がする。