舞妓はーん

映画『舞妓 Haaaan!!!』をみた。

宮藤官九郎というのは、『メタルマクベス』の記者会見で、シェイクスピアの『マクベス』を読んだことがなかった、と語っているのを見て、まあそうだろうなと思ってはいたが、おれのなかでは、クドカンの株は暴落した。
以来、この人の脚本はすべてマンガだと思っている。

であるから、この映画も、マンガとしては面白かった。

柴咲コウが白塗りの舞妓姿になると、すごく、ぶさいくになるのだが、ということは逆に、舞妓姿が似合う女の素顔というのは、(以下略)

京都を旅していて、「いちげんさんはお断りどす」といわれると、たしかに腹がたつもので、どうせ、いかがわしい商売でもしてやがるんだろう、などと思ってしまうわけでございますが。

まあ、おれは、お茶屋遊びもしたことないし、べつにしたいとも思わぬのだが、岸部シローはたしか、祇園の芸妓に、3000万円ばかり貢いだのではなかったか。

祇園には格式と伝統があり、舞妓になるには大変な修行が必要などというが、酔っぱらいを相手に野球拳をやるのが芸か、芸を見せるだけにしては法外な値段ではないか、などと思わぬでもないが、
はてさて、きれいな着物や帯を舞妓に買ってやるだけで、満足する男がいるのかどうか。

山本夏彦は、『馴染は馴染いろはいろ』で、こう書いております。

芸者は芸を売って色を売らないことになっているが、陰では何をしているか知れたものではない。