小田嶋隆の『人はなぜ学歴にこだわるのか』（メディアワークス・2000年初版）を古本で買う。
「広末涼子と吉永小百合はどうしてこんなにも扱いがちがうのだろうか」
という章で、二人の比較から、山口百恵に話が及ぶ。
二人の中間の世代に属するアイドル、山口百恵が歩んだ人生とあわせて考えてみるに、やはり時代の流れを感じないわけにはいかない。
「花の中三トリオ」としてデビューし、ために中卒の学歴で終わったこの人のスタンスは、また独特だった。そもそも引退した山口百恵が、ただの主婦として「三浦百恵」の名前で呼ばれたがったこともさることながら、メディアがあえて彼女を「さん」付けの背景には、彼女の学歴が「中卒」であることに対するメディアの屈折した配慮がある。
邪推と言われてしまえばそれまでだが、一方では、擬似皇室じみた尊称付きの存在として崇め奉りながら、他方では容赦なくプライバシーを暴いてやまない彼女に対するマスメディアの態度の不自然さを見るにつけ、私はそのウラに、学歴偏見を邪推せずにはおれないのだ。
（178ページから引用）
と、いうことだけど、山口百恵は、日出高等学校を卒業しています。
よってこの記述は、小田嶋氏による学歴偏見の邪推といってよいでしょう。
■追記
文庫本では、該当箇所は修正されていました。
