ハゲタカ

NHKドラマ『ハゲタカ』
再放送でやっと見ることができた。

いろんなエピソードを詰め込みすぎて、後半は、突っ込みどころ満載でしたね。まあ、近頃は、何の「ドラマ」もないドラマが多いので、このくらい詰め込まれている方が、お得感がある。

手持ちカメラで、俳優の顔の、どアップ。ぐらぐら揺れる画面。という演出も見ごたえあり。

でもまあ、けっきょく、浪花節かよ。そんなに三島製作所を救いたいなら、鷲津が、自分の金で存続させれば?

レンズ部門の、田中ミン演ずる加藤さんは、特級研磨技師の資格を持った唯一人の社員、ということだけど、それなら、レンダント社は、加藤さんだけをヘッドハンティングすれば?

しかし加藤さんは、大空電気で40年勤めているということだから、もう60歳近いはずで、じきに定年だろ。レンズ部門を独立させたところで、特級研磨技師の後継者もおらず、そんな加藤さんを、いつまで働かせるつもりか。

レンダント社がアメリカの軍事企業であっても、日米同盟のもとでは、べつに問題ないし、国益にもかなう。しかしながら鷲津は、中国企業との提携を選ぶのだが、技術コピー、軍事への転用、などのリスクはどうする。

鷲津は、加藤さんから、
「おまえらは、他人の金で企業を買って転売するだけだ。自分では何も作らない」
と説教されるファンドマネのくせに、松田龍平には、「ちゃんとした経営者になれ」と説教する。
だから鷲津は、自己資金で、三島製作所を経営してみろって思うのだが、それでもやっぱり、鷲津ファンドを設立するわけね。

まあ人にはそれぞれ、能力というものがありますから、たとえ鷲津が、加藤さんに弟子入りして、レンズ磨きをやったところで、特級研磨技師になれるわけではない。同様に、加藤さんが、外資系ファンドに転職しても、仕事にならない。
ホリエモンをモデルにした松田龍平も、ちゃんとした経営者になることはあるまい。

鷲津ファンドを続けるなら、また新たな犠牲者が出るでしょう。それがいやなら、世を捨てて、山小屋でロクロでも回すか。

などなど、ツッコミたくなるのだけど、いろいろ考えさせる分だけ、このドラマに魅力があるということでしょう。適度にスキのあるドラマの方が、人気が出る。

これだけ経済の専門用語が出てきて、それでもすんなり理解できるのは、やっぱりライブドア村上ファンドのおかげだなあ。

医者も銀行員も、人を殺して一人前。