皆様のNHKを、ギャフンと言わせてやりました

おれは、けっこう、ギリシャ悲劇とか、好きなんですよ。
NHK教育テレビの「芸術劇場」という番組があるんですけど。
この前の日曜日に劇場中継で、劇団ク・ナウカの『アンティゴネ』をやってたわけ。
アンティゴネ」というのは、あのオイディプス王の娘でね。
その娘の、悲劇なわけ。
それで、番組では、劇場中継の前に、物語のあらすじを字幕スーパーで説明した。
それを引用するね。

テーバイの王オイディプスは、父を殺し、母と交わった罪を知り、流浪の旅に出た。
残された二人の王子が、交互に王位に就くことになったが、
兄が王位に執着したことから、弟は、敵国アルゴスの軍を率い、自国に攻め入った。

戦闘はテーバイが勝利したが、兄弟は刺し違えて、ともに命を落とした。
新たに王位を継いだクレオンは、兄の遺体を手厚く弔う一方で、反乱した弟の亡骸は、弔うことを厳しく禁じるふれを出した。

ということですが。
これを読んだおれは、あれ? と思ったわけ。
どこが、おかしいか、わかりますか?
まあ、このまちがいがわかる人は、かなりの演劇通ですね。
【正解】兄と弟が、反対です。
王位に執着したのは、弟のエテオクレスです。
それで、兄のポリュネイケスが、敵国アルゴスの軍を率いて反乱した。
二人とも死ぬのですが、クレオン王は、
「弟」の遺体を手厚く弔う一方で、反乱した兄の遺体は、野ざらしにした。
こういう物語です。
それで、NHKに問い合わせてみました。ちゃんと、返事がきましたよ。

電八郎 様
いつもNHKのニュースや番組をご覧いただき、ありがとうございます。
また、番組についてのご指摘ありがとうございます。
1月16日放送
「芸術劇場〜ク・ナウカ公演“アンティゴネ”」についてですが、電八郎様のご指摘のとおり、字幕スーパーが間違っていました。
ご迷惑をおかけいたしました事を深くお詫び申し上げます。
今後とも、NHKをご支援いただけますようお願いいたします。
お便りありがとうございました。
NHK視聴者コールセンター

ほらね。そういうことです。
次の放送で、司会者が、
「前回の放送で、字幕スーパーがまちがっておりました。電八郎さん、ごめんね☆彡」
なんて、謝ってくれるかもしれません。
ゆるす。ゆるしますよ。
だれにでも、まちがいはありますから。しかし、放送前に、誰か、気づかなかったんですかね。
兄と弟を、間違えるというのは、あだち充の『タッチ』で、上杉達也と、上杉和也を、まちがえるようなもんです。
まあ、民放でも、野球のルールも知らないような女子アナが、スポーツ番組のキャスターやってますから、NHKの演劇番組でも、演劇に詳しいスタッフばかりではない、ということですか。