ちょっと前までは無料で見られる学習動画といってもNHKの高校講座くらいしかなかったのだが、あれよあれよという間にいっぱい配信されてて、けっこうなことである。俺は学校嫌いの勉強好きだったので、こんなのが子供の頃にあったらもう学校行かないで、ずっとyoutubeを見ていただろうな。
まあだけど気になることを書いておけば、「とある男が授業をしてみた」の葉一先生が子供に人気である。しかしその教え方といえば教科書に書いてあることをそのまま教えているだけで、とくべつ工夫があるわけではない。
これが学校の授業よりわかりやすいと評判なのだが、そんなことを言われたら学校の教師は立つ瀬があるまい。ほとんどの教師は50分の授業で葉一先生よりも、よっぽど丁寧に教えているはずである。それなのに生徒からわからないと言われるのなら、それは何か別のことに原因があるのだ。
葉一先生は問題の解き方を教えるだけで、なぜそうなるかを教えない。
(-5)÷(-7)の計算で、両手のこぶしを突き出したかと思うと、「これをこう回すんだぞ」とくるっと右回転させて、分数の答えを出したのを見て、私はひっくり返った。
この動画に多くの子供たちが、学校の授業よりわかりやすい、とコメントを寄せているのである。
いったい何がわかったというのだ。彼らは本当にわかっているのか、割り算や分数というのものを。
だがしかし、数学とは抽象化であるなら、もしかするとこれこそが数学であると思わなくもない。
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