ケラにとって天皇とはなにか

 ケラリーノ・サンドロヴィッチの作る演劇にしろ歌にしろ、ひとつもおもしろいと思ったことがない。ましてtwitterでつぶやいている社会批判みたいなものは噴飯ものである。
 1988年、昭和天皇が吐血し容態悪化が伝えられる中で、ケラが率いるバンド有頂天はアルバム『GAN』を発表する。GANは癌を意味し、あきらかに昭和天皇の病気を揶揄していた。
 収録曲の『君はガンなのだ』の作詞は糸井重里で、「君はガンなのだ 嬉しいだろう もう何でもできるよ」という歌詞である。
『Sの終わり』のSは昭和を意味し、天皇崩御を歌っている。

王様はめくら 空が下にある
あったことも無かったことも 無かったこと

王様は危篤 今に塔も折れる
あった国にあった僕 あった僕ら
ぶち壊せなんて言葉ぶち壊して
今日もあそこへ行こう
(有頂天『Sの終わり』より引用)

 天皇を批判する者がいてもいい。それこそ思想信条の自由である。
 浅田彰はこの時期の異様な自粛ムードに包まれた日本を「土人の国」と呼び、轟々たる批判を浴びた。その浅田彰が平成の終わりに再び天皇を批判するコラムを書いているのを見て、私はその一貫した姿勢にある種の感銘を受けた。
 あたりまえのことだが、ケラリーノ・サンドロヴィッチなどという軽薄な芸人とは、教養も覚悟もちがう。
 昭和天皇をからかっていたケラは、その天皇から紫綬褒章を授与されるとなると、謹んで頂戴し、「平成天皇皇后両陛下のことは、深く尊敬致しております。まったく以ってご立派なお人柄」などとtwitterで書くのだ。そのくせ、政府を批判し反権力のつもりでいるのだから、笑止の沙汰である。

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天皇制批判の常識 (新書y)

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GAN

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